こんにちは、ウェルネス・コーディネーターのToshiです。

高齢者の「健康度」を科学的・客観的に評価するうえにおいて、「身体機能(体力)」や「日常生活機能(ADL)」の評価は、比較的数値化しやすいものです。

たとえば、

○歩行速度
○外出頻度
○階段の昇降の可否

などのように・・・

しかし、高齢者の「生きがい(QOL)」を客観的に評価するうえにおいて、妥当性のある尺度や定型化された質問表など、いくつかは存在しますが、概して、その評価には、なかなか難しい部分があります。

この「生きがい」の客観的評価と同じように、科学的根拠が必ずしも十分ではないですが、とても興味深い、高齢者特有の「隠れた能力」として注目されているもの1つが、「エイジング・パラドックス」です。

エイジング・パラドックスというのは、通常の医学的・心理学的検査等によって表される、高齢者のさまざまな機能が確実に低下しているにもかかわらず、実際の日常生活のあらゆる場面で、若年者と同等、あるいは、あまり変わらない成績(順応性)を示すことをいいます。

たとえば、記憶能力を例にしてみましょう!

一般的に、記憶能力は、加齢とともに低下することは、科学的に実証されています。

実験室のような場所で、過去の記憶を思い出すような人工的な課題を行うと、当然、若年層よりも高齢層のほうが成績が悪くなります。

しかし、日常生活の場面における観察的な研究によると、近い将来の行動予定に関する記憶においては、高齢者が若年者よりも成績が良い、あるいは差が無いというエイジングパラドックスが生じる傾向になるようです。

この記憶のことを、「展望的記憶(Prospective Memory」といいます。

確かに、75歳以上の、いわゆる「後期高齢者」においても、考えられないような不思議な知恵や能力を発揮する場合があり、「老い」に対する順応性の良さは、若年層のそれよりも、高いかもしれませんね。

○これまで築いてきた、自分の人生に対する自信や自負
○日々の生活に対する生きがいや充実感

こうした経験や過去の判断の集積が、この「エイジング・パラドックス」を生み出しているのかもしれないうと感じます。

こうした、高齢者の知られざる能力が、老年行動学や老年心理学の分野から、どんどん解明されて欲しいですね😉✋