こんにちは、ウェルネス・コーディネーターのToshiです。
日本の高齢者(65歳以上)の中で、身体的には健常で、基本的な日常生活は自立して行える方が、全体の約80%弱、そして、要支援や要介護といった介護認定者が全体の約20%弱いらっしゃいます。
そして、その間に挟まれた約5%程度の高齢者、具体的には、介護認定ではないけれど、体力的には不安があり、このままの生活を続けていたら、2~3年後には、介護認定に陥りやすい瀬戸際にいる高齢者を、国の政策上、「特定高齢者」あるいは「2次予防事業対象者」と言い、ここが、介護予防事業の中心的な対象者となっています。
この虚弱になりつつある高齢者群は、高齢者が陥りやすい生活上の不具合・いわゆる「老年症候群」、具体的には、転倒・失禁・低栄養・軽度認知障害・口腔機能低下などの症状を、1つないし複数持ち合わせている可能性が高く、この中でも、転倒に関連する「運動器不安定症候群」を、英語で「ロコモーティブ・シンドローム」、略して、「ロコモ」と呼び、中年期からの「メタボ対策」に加えて、高齢期の「ロコモ対策」の重要性が問われてきました。
また、加齢に伴う、運動不足とタンパク質不足により、体内の筋肉量が減少していく症状を「筋肉減少症」、英語で「サルコペニア」と言い、筋肉量を減らさないための筋力向上トレーニングとタンパク質の摂取不足にならないための低栄養予防の取組みが、総合的に行われています。
こうした背景の中、この6月に日本老年医学会は、新たな介護予防と高齢者の健康長寿のための指標として、「フレイル」という概念を発表しました。
「フレイル」は、「虚弱」を意味する英語「frailty」をその語源とし、健康と病気の「中間的な段階」の高齢者群を指し、加齢ともに虚弱化か進みやすい諸問題を、身体的・精神的・心理的・社会的な側面で予防・改善していくための包括的な概念として、使われ始めている言葉のようです。
アメリカ老年医学会の評価法では、
①移動能力の低下
②握力の低下
③体重の低下
④疲労感の自覚
⑤活動レベルの低下
のうち、3つ以上に当てはまると、「フレイル」の段階と評価しています。
具体的には、
○1年間で、4~5kgの体重減少
○疲れやすくなった
○筋力(握力)の低下
○歩行スピードの低下
○身体活動量の低下
のうち、3つ以上に当てはまるかどうかということになります。
老年症候群、ロコモ、サルコペニア、フレイルと、高齢者の健康と介護予防に関連した概念や言葉が多種見られますが、重要なのは、高齢者1人1人の状況に合わせた、ADLの拡大とQOLの向上です。
「フレイル」についても、その定義、診断基準、改善対策などが、世界的な多くの研究者によって議論され、エビデンスを蓄積し、高齢者のQOLの向上と、医療費の適正化、介護者の減少につながっていくことを期待したいと思います。