「ボールペン字を消した~い!」…の歴史と進化。
手紙や、ちょっとしたメッセージ…
…パソコン文書や携帯メールを使い慣れてみると、
ますます「手で書く」ことが億劫だ…という気持ちになりがちです。
ワープロ文字よりも手書きのほうが、心温まる感じになるし、「つながり」を深く感じるもの
そんな「ココロを伝える」ことは、やはり「機械」ではまかないきれないものがあります。
…と、「わかっちゃいるけどついつい手がキーボードや携帯へ…」となってしまう、
その大きな理由のひとつは、「書き間違いの修正が面倒」ということではないでしょうか?
パソコン・携帯なら、「DELキー」をポン!でアッサリ。
手書きでも、鉛筆なら、消しゴムでササッ!と…ですが、
大人が書く手紙やメッセージは、一般的には「ボールペン」がフツウ …これがヤッカイ なのですねぇ
より丁寧に、よりきれいに…そんな思いがこもるほど、丸めて捨てる紙の山が増えて…なんていう感じで。
さて、
ボールペン字を書き間違えた時、その文字を消して、上から書き直せる「消しゴムモドキ」のモノが
ほしいところ…となるわけですが、
この「消しゴムもどき」には、あの京都銀行さんのCMにも負けないくらい、
ながぁぁぁぁ~い 変化・進化の歴史があるのです。
これまで、どんなものが活躍してきたのでしょうか…今日は、それをちょっと振り返ってみましょう。
字消しヒストリー劇場、はじまり、はじまりぃ~!
ここからご案内するモノには、
懐かしい記憶が残っている人も、「知らなかった!」「使ったことない!」な人もいるでしょう。
さて、アナタはどの品物から、「実体験・リアルモード」でご存知ですか…?
「砂消しゴム」
家庭にも職場にも、いちばん普及していたモノ。
銀色でザラザラした固形物体。まさに、「砂のカタマリ」です。
「消す」というより、「削る」という感じ。
こすり過ぎて、紙がバリッと破けてしまった失敗談、多くの人がお持ちのことでしょう…
「ガンヂーインキ消し」
主に、会社の事務員さんたちが利用したものだと思います。
箱の中には、赤い液体・透明な液体の入った小瓶がそれぞれひとつずつ入っています。
液体は、ビンのフタに付いているガラス棒の先につけて、「赤→透明」の順で消したい文字に塗り重ねます。
すると…ジュワワワ~…っと、字が消えるのです。完全にスッキリとまではいきませんが。
何とも不思議な「魔法の液体」。たぶん何かの化学反応の応用なのでしょう。
しかしこれも、「消す」というより、「溶かす」というイメージ。
実際、ボトボト塗りすぎて、「取引台帳」の紙を溶かしてしまった「ダメダメOL」を知っています。
(…っていうか、それ、ワタシのことなんです…トシ、バレタ?)
「修正液・その1」
「砂消しゴム」や「ガンヂー」で苦労してきた人には、
実に画期的でアリガタイ!…な商品の登場でした。
フタについているハケで、白い液体をヌリヌリ…これは確かに「消えます」!
ボールペン字だけでなく、毛筆(筆ペン)の字や、カラーペン・絵の具の彩色ミスなどにも応用できるように
なった、ウレシイ商品でした。
ただ、塗り方によっては、乾いた面が凸凹になったりして、上からまともな文字が書けなくなることも…
「うすめ液」が付属していることからもわかるとおり、放っておくとドロドロ→カチカチになって使い物にならなく
なるなんてこともありました。
「修正液・その2」
消したいところだけをピンポイトに攻める!…失敗とムダのない使い方を実現したスタイルが、
修正液の定番になりました。
フタを閉め忘れたりしなければ、液体が固まることもなくなりました。
現在、修正といえば「テープ」というのが、もはや常識?…のような定番商品です。
手も汚れず、持ち運びも簡単。
テープ幅も、色カタチの種類も豊富。
アソビゴコロ満点のデザインが楽しい商品もあります。
お わ り
…と、「ボールペン字消し」のアイテムを「歴史」としていくつかご紹介しましたが、
実は
これらはいずれも、今でもお買い上げいただける商品として、お店においてあるんです
一昨日のブログで、
電子機器は新商品発売と同時に旧型のモノがどんどん消滅していく…みたいなことをボヤキましたが、
文房具の世界における「進化」は、過去のモノを簡単に捨て去ることはないようです。
「過去・歴史でありながら、かつ、現在にも生き続ける」
…そんなやさしい流れの中で進んでいるということになります。 ちょっとした感動…です
さてさて…長文になったついでに、あとひとつ、お付き合いのほど…
おそらく、文房具業界・消費者共に、長年のテーマだったであろう「ボールペンの字消し」について、
最近、 画期的な商品 が登場したことをご存知ですか?
パイロット の フィリクションシリーズ です。
書いた文字を、本体付属のラバーでこすると … 見事、キレイに消えるんです
今までの商品のように、こすることによる紙面の変質感は、まったくありません。
(もちろん、紙の性質やチカラ加減による差はありますが)
この商品、
インク に秘密があるようで…ボールペンは、やや水性インクに近い風合いのあるものなのですが、
これが、熱(60℃以上) によって消える性質を持っているとのこと。
つまり、「本体のラバーで消える」というのは、こすることによる摩擦熱 を利用したものなのです。
「消しゴム」の働きとは違うので、ラバー自体は、いくら使ってもカスが出たり、スリ減ってなくなってしまう
心配もありません。
ちなみに…「摩擦で消える」ということで実験してみたのですが、普通の消しゴムでも十分消えましたヨ
(でも、指でゴシゴシ…は危険ですからやめましょう!…やってみたけど消えませんデシタ )
…ということなので、この商品、
「長期保管が必要なもの、公式文書などには使わないでください」という注意事項があります。
(真夏のダッシュボードに入れっぱなしっていうのも危険かも?です。)
この機能を生かせそう、いちばん需要度の高そうなところである、「履歴書」や「見積書・請求書」などには
不向きなのが残念ですが、
その他多くのシーンでは、こどもからオトナまで、家庭でも会社でも、
すごーく便利なペンが出来たナァ!と満足できる逸品だといえるでしょう。
我がタケウチ店舗の「看板LADY」、Kさんによる一句…
「失敗を、許してくれるボールペン」
…ウマイ!その通り!…な商品です(よっ!Kさんに座布団10枚! )
黒・赤・青のボールペン(0.5mm・0.7mm)を中心として、
0.4mmのペン、蛍光ラインマーカーは色とりどり…そろっています!
「字消し」のはじまりから最新型まで…お店に見に来てみませんか?
お店でご相談くだされば、
どんな目的で、どんな印象の文字を、何に書くのか…などなど、
細かい条件によって、ベストなアイテムをご紹介できると思います。
…ぜひ、「文具のタケウチ」に、おこしやす!なのです。
(み)