『関東大震災震源地/ 震災後の建築提言』
新潟沖で地震がありました。
なくなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
災害にあわれた方のご回復と、復興に携われている皆様
全ての安全をお祈りいたします。
私にこのブログをお読みの方ならば、
どのような気象条件のときに地震が起こるのか
ご理解いただいていると思います。
その条件下で、今回も発生しました。
いろいろな記事をこのコラムに書いているのも、
あらゆる方に地震そのものに関心を持って
いただきたいからです。
日本のどこかで起きます。
常にお備えください。

科学知識 震災号
大正12年10月号
関東大震災の影響で
月遅れで出版、震災特集号となった
当時の科学専門月刊誌。

裏表紙広告は、都市生活には欠かせなかった
花王石鹸(当時)の広告。
お見舞い記事の入ったもの。
当時の所在地は茅場町ではなく、馬喰町。

次の号も特集。
二回に渡り、震災を直後に検証。

生活革新。
東京は、世界の大都市に並ぶ近代的な街並み
になるはずであったが。

体験直後の東京都心の震度分布図。
公表された震度分布図で、おそらく最も初期のもの。
濃いほど、震度大。
下の広域地図を見れば一目瞭然、関東大震災は、
今の神奈川方面のほうが大きく、且つまた直下からの
大きな突き上げと共に揺れた。
死者が東京よりもが少ないのは、
横浜のオフィス街を除けば
当時の人口が、東京と比べて圧倒的に
少なかっただけのこと。
山手居住のエリート、商社外国人たちはこの後、
多くが日本を去った。
明治維新以来居住の諸外国の人たちが日本を去ったことは、
外国との交流の窓口、ひいては
日本が戦時色を強めていくことへの歯止めを
失ったことを意味した。
これらのことが、現在神奈川の新居住者に
正確に伝わっているとは言えず。
今回の新潟中越沖と同じ、震源が海溝にある広域型で
揺れの大きな地震。
最も重要なのは地盤。
お濠の周りと北側の震度は、
やや濃い。
港区の一部にも濃いところがある。
茅場町、日本橋は薄い。

相模湾震源の本震震源図。
ただし関東大震災の時には、
直後にほぼ同規模の震源の異なる余震が
直後に2回。
最初の、色刷りの震源図。
相模湾沖、大島北東地震である。
房総、館山にも近い。

伊東忠太博士の
風神鯰画。
都会の人の表現、洒落はきついと
言われるが。


その率直な物言いで、不評も買った佐野利器博士。
しかし、将来の東京の建築への提言。
木造、レンガ造り、土蔵、鉄骨造など様々な構造の建物
を検証した上での締めくくりの一文。
路地裏は否定。
専門家の生の声。
この意見は一部でしか生かされないまま
東京大空襲、そして終戦を迎え、戦後は道路拡張などの
計画はあっても、実行に手間取ったまま、
乱開発のみを繰り返し、今日に至る。。。
今の東京、乱雑な街並み、ペンシル高層ビル乱立、
マスコミの戦後の路地木造木賃家屋礼賛
構造無視の見た目のみこだわる建築にあふれた
東京を見たらどういう意見を述べられることか。

特集2号めの、伊東忠太博士扉絵。
裸一貫出直し。
しかし都会人のこと、褌フンドシではなくパンツ一丁。
後藤新平の書、半ば挫折することとなる、
彼の東京復興計画、大改造の座右の銘ともいうべき、
転禍為福、『禍転じて福と為す』の文字が読み取れる。
今の、中央区と千代田区、台東区の一部では実現した
街の改造道路拡張が、
最も手を付けなければいけなかった
江東エリアでは叶わなかった。
やがて戦後、昭和天皇陛下が、
あの後藤の計画通りであったなら、東京大空襲の被害は
もっと少なかったのではないかとお嘆きになる。
そして、戦後の江東区は、
2度の災害、自然、人為的被害を教訓に
道幅の広い道路が多くなった。
戦後の繁華街のほうが危ないのは、
地盤の悪い場所を、忘れてしまって
そこへ高層ビルを建てまくってしまったこと
(地盤の悪いところは、今日ではイメージが
良くなっているところにも多数ある。)
と、まさしくこの、そこへ集まる人の数と、
道路幅や、避難スペースの、バランスが
極端に悪いことによる。
今回の地震で、原発の耐震基準の甘さが指摘されています。
最近ではそれすらも全く言われなくなってしまっていますが、
かつて東京では、それまでに存在しなかったような
建築構造物を造る時には、お題目のように
根拠は具体的ではないのに、『関東大震災でも大丈夫』
と唱えては、常に新しい何かを建て続けてきました。
一本足で立っている高速道路や、超高層ビルが、
今回の地震よりも更に広域で横揺れが大きくかつ
激震がたて続けに来た関東大震災に耐えられるとは
私は思いません。
今回の地震でも、家が倒壊すれば避難所暮らしか、
仮設住宅暮らしです。
阪神大震災では、病死孤独死が問題になりました。
最近の自殺や、うつ問題と同様、耐震の問題は、
後追いの対処療法では根本的な解決にはなりません。
金銭的に無理な方には、補助を。
余裕があるヒトには、強制的に耐震補強、耐火構造を進めさせ
お金のかかる建物を建てた
そういう建物こそ減税対象にするべきです。
今は逆です。
元は、個人個人がどんな建物を選ぶかということですが、
原発の地盤問題で明らかな様に、これは
同時に日本の国家的リスクです。
追記 7月26日
伊豆半島で地割れのニュース。
関東大震災前、伊豆で群発地震が
多かったという記述あります。
最近伊豆で地震多いので
気になります。