Webサービスとは、WWW関連の技術を使い、ソフトウェアの機能をネットワークを通じて利用できるようにしたもの。企業間の商取引を担う大規模なものから、単一の機能を持ったコンポーネント(ソフトウェア部品)まで、様々な規模・種類のものがある。


 機能の記述や呼び出し手順などの標準化が進行中であり、コンポーネント化された複数のWebサービス同士をつなぎ合わせてアプリケーションと構築するというスタイルが次世代のソフトウェア環境の主流になると予測されている。そうした環境が普及すると、従来のOSやミドルウェアは、Webサービスを開発・実行する環境としての役割を担うようになり、サービス(およびそれらを組み合わせたアプリケーション)を利用するエンドユーザは、現在のWebブラウザを拡張したようなクライアントソフトを通して、すべてのソフトウェアを操作するようになると考えられている。


 こうした環境の基盤となるようなソフトウェアやサービス、開発環境、仕様などが各社から提案されており、Microsoft社のMicrosoft .NETや、IBM社などが中心となって進めているUDDIプロジェクトなどが有名である。


 現在のところ、XMLをベースにした標準や標準案が多く、中でも、ソフトウェアの機能の遠隔呼び出しの手順を定めるプロトコルは、XMLベースのSOAPがデファクトスタンダード(事実上の標準)の地位を築いている。また、Webサービスの記述言語としてはWSDLが標準として普及すると見込まれている。


 Webサービスは広い概念で、適用範囲も広いが、現在の標準はどれも最も基礎的な基盤技術に関するものばかりで、具体的に高度なアプリケーションを構築しようとすると独自仕様に頼らざるを得ない。今後は基盤技術をベースに各業界や分野に応じた数々の標準仕様が登場していくものと思われる。