映画『愛人/ラマン』(L' Amant) | 心に残る言葉

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$心に残る言葉-ジェーンマーチ①


映画『愛人/ラマン』(L' Amant)
1992年に製作されたフランス、イギリス合作映画。
ジャン=ジャック・アノー監督。

映画化が困難といわれたマルグリット・デュラスの自伝的小説。
小説はプルーストの「失われた時を求めて」のごとく
時間がバラバラに構成されているため
時系列としてのストーリーはない。
マルグリット・デュラスの過去と自分との再構成、
突き放した自らの過去への限りない郷愁が
この小説に魅力になっています。

ジャン=ジャック・アノー監督。
フランスでは最も知的な監督ではないでしょうか。
「小熊物語」での豊かな情緒性。
そしてその対極とも思える「L'Amant」

この両極をこなし得るのは
ジャン=ジャック・アノー監督しかいなかったはずです。

でも、なんといっても、やっぱりジェーンマーチの魅力です。
メコン川を物憂げに見つめるこのジェーンマーチの表情。
彼女が見つめるメコン川は
マルグリット・デュラスが見つめる自分史に重なるのでしょう。