土壌からプルトニウム検出「人体に問題はない」福島原発(産経新聞)

プルトニウムは燃料に含まれているので、燃料棒が壊れている以上、漏れていてもおかしくはないですよね。
関係者もそれは予め予測していたはずだと思います。

今福島第一原子力発電所で起こっていることのほとんどは、関係者も報道機関も予測ができていたと思います。

全てにおいて想定外だったのは、2号機爆発だと私は考えていて、私が本気で対策することにしたのもそのタイミングです。理由は私は素人ですから単純で、その日の東京のモニタリングデータで観測された、ということでした。
これは、風向きによってはもっと大きな放射性物質の漏えいがあった場合には東京は安全とは言えないな、ということをデータが示していました。

いろんな人が、「ただちに健康に害はない」と言っていましたが、

私はデータには謙虚になることにしているんです。
所見を聞くよりもデータを配布してもらってじっくり見たいほうです。
データはストーリーを持っていて、素人に優しい情報です。理論や数式は敷居が高いですね。
こういう傾向は、私が今までやってきたデータベースやサーバのパフォーマンスチューニングの職業病みたいなものなのかもしれません。
理屈よりも結果が全てですしその結果ときたら素人目にも明らかなのがパフォーマンスチューニングの辛いところでして、黙々とデータを見るのが癖になっているのです。

そして、データが語るところによると、東京はヨウ素とセシウムの飛来する範囲内で、かつ東京都民の水道水の水源地はもっと高い濃度で汚染される可能性があり、汚染された水道水に対しての対策は十分には準備がされていないらしい、ということです。

※記事が東京中心になってしまって申し訳ありません。住まいがあるものですから…


ところでプルトニウムが漏れて敷地内の土壌で見られたという件と、誤報でしたがヨウ素134が大量に検知されたという報道、どちらが衝撃的でしたか?

私はヨウ素134のほうでした。

もう目の前が真っ暗になりました。
色々考えはありましたが、とてもこのタイミングでブログに書いていいようなことではない、そんな考えでした。

ごくあっさり問題ない範囲で言うとヨウ素134が大量に見られるということは注水の効果がなく核分裂が進んでいるということですし、しかもそれをうまく観測データが検知できていなかった、ということでしたので、最悪の事態を想像しました。
誤報でよかったです。

さて、プルトニウムは恐ろしいイメージを持つ放射性物質です。
1.核兵器に使用されること
2.冥府の王プルトン(プルート。ギリシャ神話ではハデス)を思わせる
  (実際には惑星の冥王星からつけられたらしい)不吉な名前
3.人体に害があること

ここで肝心なのは3.人体に害があることだけですよね。
・人体への害は主にマスクを装着することで防げます。
・人体に取り込まれた場合、排出はむずかしいそうです。
・半減期はどの同位体も長いです。

プルトニウムは重いから飛ばないよ、という話を聞きますが、
私は、気象条件や爆発の規模によっては飛ぶことはもちろんありえると思います。
黄砂といっしょにプルトニウムも飛んでいるそうですし、
竜巻は家だってもちあげちゃいますからね。
用心するに越したことはありません。
といっても、半減期が長いので、ヨウ素のように「今がんばって気をつければ危機を回避できる」というものではないので、汚染が激しければ土地を捨てるしかないのではないでしょうか。

ただし、実際にデータで見ると、確かにプルトニウムは他の放射性物質に比べてあまり飛ばないみたいです。
(参考URL)チェルノブイリ原発事故による土壌中放射能の物理・化学的性状とその移行性

表1 実験サイトの特徴と放射能汚染状況(1993年夏)を見てください。
セシウムは200km~250km地点でも近距離の半分程度観測されるのに、プルトニウムは100分の1程度です。
ヨウ素の分布の資料がないのは半減期が短く、事後の研究に入れる状態になった時点では検知できなかったからだと考えられます。

とはいえ、皆様油断なきように、と願っております。

それにしても、
事故を起こしている原子力発電所内で不審な水たまりがみつかったら、「放射能汚染されている」と考えるのが普通なのに2時間も水に浸かって作業して被ばくしてしまったり、
20キロ圏内で避難している人が自宅に戻ってしまったり、
これは国が発信している「ただちに健康に害はない」というメッセージを鵜呑みにしている方がいるのでしょうか…。
どうも、深刻に受けてもらいたい人には受け取ってもらえず、もっと気楽に構えてほしい人たちはピーギャーさわぐ、という最低な事態になっていて情報統制が完全に裏目に出ています。
(※放射能についての知識が十分でない作業員を生死を賭した作業に従事させるなんてあまり人道的ではないように思います。チェルノブイリでも全く放射能について知らないような人が尻ぬぐいに駆り出され、死にました)

東京都の消防隊の方たちは放水後の記者会見で、どなたも目が真っ赤になっていて、感情も高ぶり、恐怖と向かい合っての仕事だったことがうかがわれました。
「隊員は精鋭ぞろいだが放射能の恐ろしさを熟知しているが故に恐怖心が強く、緊張のあまり防護服の装着も3倍くらい時間がかかっていた。」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
放射能の恐ろしさを知っているから、知識があるから怖い、でも、だからこそ誰も規定値以上の被曝をせずに任務を果たすことができたのではないでしょうか。

やっぱり事態が長引くと、皆ちょっとカジュアルになってしまうんですよね。
危機は少しも回避されていない、時間が経てば経つほど漏えいのリスクが高まる、にも関わらずゆるくなってしまう。何も解決などしていないのに、ただ日が昇って沈んでいっただけなのに、人って太陽が表れて沈んでということさえ繰り返されればどんなことにだってなれちゃうのかもしれません。

でも、
この福島第一原子力発電所危機って、

うまくいけばいくほど長引くシナリオなんです。


だから、日常生活の中に、もしものときどうすればいいのか、という備えだけはきっちり用意して、でも日々の暮らしに支障がなくストレスも最小限で済むように、工夫されたほうがいいと思います。


今のところ福島第一原子力発電所危機で一番良いニュースは、
まだ誰も復旧作業中に死亡していない
というところですので、けが人がでないことを祈っています。
人が死んでしまうと、いろんなことが止まってしまいます。

次回は、情報のキャッチアップと自己責任について書きたいと思います。

福島第一原子力発電所の放水口付近で1250倍の濃度の放射性ヨウ素 ヨウ素131が観測されました。

周辺の生態系への影響について、枝野官房長官は会見で、
「専門家の皆さんによれば、そういった可能性は低いだろう、とのことです」
と言っていました。
チェルノブイリは内陸にあったので、実際に放射性物質による海洋汚染がどのように行われるかはデータが存在しません。
放射性ヨウ素 ヨウ素131がどのように拡散し、どのように海底に定着するかわからないし、最終的に生態系にどのように影響を与えるか、はっきりした答えはありません。

食物の放射能物質による汚染には、

?食物の中に含まれる放射能物質を人間が摂取することによって内部被ばくしてしまう

?生物としての食物(この場合海藻や魚など)が被ばくしたことにより健康を害する

という二つの問題があるように思います。
特に魚類などの野生の生物については、繁殖という重要な働きを天然の環境にゆだねているので、?の被害をコントロールすることが難しいですね。

さて、ヨウ素131やセシウム137がホウレンソウをはじめとした農作物から検出されて出荷制限や摂取制限をされていますが、それらの農作物はもともとはヨウ素(安定ヨウ素127)をほとんど含まない食品です。

ヨウ素を圧倒的に含む食品は、昆布をはじめとする海藻類、そしてそれらを餌とする食物連鎖上の魚類などです。
海藻は海水中のヨウ素を取り込みます。

今回基準値の1250倍という濃度で観測されたヨウ素131が、
海流に乗らず沿岸にとどまる分も多くあると思いますが、
福島第一原子力発電所付近の海流は、

こちらで確認することができます。
海上保安庁 海洋速報 &海流推測図 「海流図」
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/KAIYO/qboc/2011cal/cu0/qboc2011056cu0.html

南に向かって流れてきた親潮が黒潮とぶつかって東向きに太平洋に流れていっています。

親潮は栄養を多く含み「魚類の親となる潮」ということから親潮と名付けられたそうです。
(出典)WikiPedia 「親潮」

黒潮は栄養がとぼしく速度が速い海流です。

福島原子力発電所の20キロ圏内では漁業がおこなわれていないとのことです。


母乳に移行するヨウ素131、いったい何ベクレルになるのでしょう。

200ベクレルの水でも…妊婦や授乳中女性に「健康被害なし」 産科婦人科学会

報道を見ていて、4分の1の量移行するのに乳児に健康被害がないということに矛盾があるような気がしたのですが、ネットでも、母乳に4分の1移行するから気をつけろ的な情報と、50ベクレルだからだいじょぶ!的な二つの情報が混在しています。

まだ誰もちゃんとその矛盾について発言していない様子なので
それぞれの場合に母乳に移行するヨウ素131が何ベクレルになるのかを計算してみました。

☆ 計算問題 ☆

++ 前提 +++++++++++++++++++++++
離乳期前の赤ちゃんのいる完全母乳育児のお母さんの場合
1日だいたい750ccくらい母乳を飲ませます。
++++++++++++++++++++++++++++

このお母さんが、ヨウ素131が1000ccあたり200ベクレル含まれる水道水を、1日2000cc飲みました。
(母乳出してるとのどがカラカラに乾くのでもっと飲むかもしれませんがさておき)

問題1:
ヨウ素131のうち、4分の1の「量」(濃度ではなく量)が750ccの母乳に移行すると、
この母乳は1000ccあたり何ベクレルのヨウ素131を含むでしょうか。




ヨウ素の量:200ベクレル×2リットル÷4=100ベクレル
水の量:750cc

100ベクレル÷750cc×1000cc=133.33

答え:1リットルあたり133.33ベクレル

乳児の摂取制限100ベクレルを超えている


では、次の問題。


問題2:
母親が摂取したヨウ素131のうち、4分の1の「濃度」(量ではなく濃度)で母乳に移行するとしたら、
この母乳は1000ccあたり何ベクレルのヨウ素131を含むでしょうか。



200ベクレル÷4=50ベクレル

乳児の摂取制限100ベクレル以下



この情報で母親が安心して水道水を飲めると思えません・・・


量って書いてあるからには量なんじゃないのと思うのですが、
産婦人科学会が大丈夫!って太鼓判捺してますから混乱しますね~・・・

世の中に広く母乳への盲信があるような気がしますが、
この先状況が悪化した時に悲劇を生まないように、きちんと計算して欲しいです。

赤ちゃんはおっぱいを信じてて、それしか知らない無垢な人たちですから、
私たち大人がなんとかしなければ。




ヨウ素131がどのように母乳に移行するか、栄養素が体内に取り込まれる仕組みと母乳のできる仕組み

母乳は母親の血液から作られます。
母親が摂取した食べものの栄養素や薬品には、母乳に移行するものとしないものがあります。
たとえば母乳は血液から作られるのに白いですが、これは母乳を作る過程で赤血球を取り除かれるからです。
薬品の場合、製薬会社が母親の血中濃度と母乳中の濃度についてのデータを公開していることがあります。

簡単に説明します。

食べたものは胃でドロドロにされ、小腸のひだから栄養を吸収されます。
(残りは大腸で脱水されてうんちになります)

       ↓

小腸は吸収した栄養を血液に取り込みます

       ↓・ヨウ素もここで血液中に取り込まれます

血液中の栄養は全身をめぐり、必要としている器官で消費・蓄積されます。

       ↓(以下順不同)
       ↓・乳房の器官で(母乳ホルモンが介在して)血液から母乳が作られます
       ↓・ヨウ素が(必要なら)母親の甲状腺に蓄積されます

腎臓が血液の中に余った栄養をこし取り、尿に排出します。

以上が母乳育児をしているお母さんの体で起こることです。



100日飲んでも40ミリシーベルト
昨日、母乳への移行についてシーベルトで計算した記事を見かけました。
IRCPのドキュメントからの引用で、ここで取りあげている4分の1というものとは別の計算式が登場していて、結論として母乳は大丈夫ということが書かれていました。

http://trustrad.sixcore.jp/water.html

それによると、乳児に影響が出ると言われているのは50ミリシーベルトからで、お母さんが(乳児の制限以上ではあるけれども成人の制限である300ベクレルの水を飲んで出した母乳を100日間飲み続けると40ミリシーベルト被ばくするだけだから大丈夫、と書かれているのですが、40ミリシーベルトっていくらなんでも多すぎる気がするので(それを根拠に安全宣言するからには)書き間違いじゃないかなと思っているのですが…
放射能漏れが100日間続かないと断言できる状況ではない(残念ですが)ですし、
母乳育児って人によっては1年以上続けますからね。(離乳食後に量が変化するとはいえ)



母乳について書くのはこれくらいにしようと思います(3/26)
おそらく、妊婦への影響や母乳への影響は二次的なので、そのあたりの話はあまりしたくないというのが関係各所の本音だと思います。