何も無い国なのに・・・

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宿で一台の自転車を借りた。

『今日は1日ゆっくりとこの町を見てみよう』

朝から自分の足でペダルをこいでタイヤを滑らした。

この国の首都にはこれといって見どころはほとんどない。

挙げるとするなら、

新暦11月に全国から僧侶が集まるタートルアンである。

高さ45メートルの黄金の塔。

国のシンボル。

なだらかな丘の上に立つ。

私は昼にここを訪れ、

そのあとはこの町のメインストリートに自転車を走らした。

太陽に向かって。

あてもなく。

メインストリートと平行に流れるメコン川。

西側前方に夕日を眺め、ゆっくりと自転車を走らす。

太陽が色を濃くするとき、

私はメインストリートを左に折れた。

メコン川に橙色が映えているのがわかった。

そして、タイ側に落ちる夕日が私の目を覆った。

ガイドブックの地図には無い道を抜けて・・・。

ラオス　ビエンチャンにて