今年のTEDx Sapporo 2017では、これまでまったく接点がない人のトークをいくつも聞くことができました。そのどれもが心を引き込まれるトークで、あまりの感動でいつまでも拍手を贈り続けたくなるトークもたくさんありました。
 

思わず胸が熱くなりました。
 

人に伝わる話というのは、単にテクニック的なことではないのかもしれません。
 

BEEの場合、足を運ぶのはやはりウェブ系、あるいはIT系のセミナーがどうしても多くなります。それに参加することは、たしかに自分の「立ち位置」や「知識レベル」を再確認することにもなります。
 

あと、自分では及ばなかった「情報」や「考え方」が手に入ったりすることがあります。大抵の場合、それはセミナーの全部ではなく、全体の割合でいうとあまり多くはないので、数行メモを取る程度のことに終わってしまいます。結局はどこかで聞いたような話を、あらためて別なセミナーで聞くこともあります。
 

はたから見ると「それって意味あるの?」となるかもしてませんね。
たしかに、ある意味それは「思考停止」に近いことなのかもしれません。
 

インプットで安心をする→しかし身につかない→また別なインプットをする→しかし・・・
 

この超ショートサイクルが繰り返されるループにはまると危険です。そもそも何のためにセミナーに参加しているのか分かりません。BEEの場合、いくつものセミナーを渡り歩くことで最も怖いのは、この「思考停止」になってしまうことだと考えています。
 

不思議なことにウェブ系のセミナーにばかり参加していると、ウェブというものの本質というか、ウェブがなぜ必要なのか、ウェブで何をしようとしているのかということが見えなくなってしまうことがあります。本当におかしな話なのですけどね。なぜかこういう思考になって行くのです。
 

「よくウェブ業界の流れは早い」と言いますが、実は”基本”とか”本質”と呼べる部分はそう変わっていなかったりします。
 

変わりが早いのは主に技術的なところだったりするので、そこにピントを当てた最新情報発信系セミナーも増えて行くのですが、そうなるとウェブの本質とあまり関係ないトレンドっぽいところばかりをピックアップしてしまう内容になりやすい。このあたりが原因なのかもしれません。「これ、すごいな。でもそれってお客さんが求めてるの?」という感じでしょうか。
 

ホームページを作るためには、ウェブの知識や技術ももちろん必要です。
しかし、それだけでは「人」に届かない
ということも、ウェブ屋としては絶対に忘れてはいけません。
 

今年のTEDx Sapporo 2017は、心に刺さるトークを聞きながら、会場に集った450人(スタッフを含め)の反応も眺めたりしていました。感動の涙が出るほどのトークにはスタンディングオベーションで鳴り止まない拍手が沸き起こります。そんな光景をトークのたびに目にしながら、色んなことを考えました。
 

頭で「わかる」だけではなく心でも「わかる」ことを形にして人に伝えることができたらいいですね。