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実質破綻,核燃料サイクル事業を見直さない本当の理由

 『原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた。国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる。』(東京新聞9月5日記事より引用)

 核燃料サイクルとは、原子炉で使用した使用済み核燃料は、再処理(使用済み核燃料からプルトニウムを抽出し、再度原子力発電の燃料とする)し、MOX燃料に加工するというもの。日本政府が国策として進めている事業だ。ウラン燃料を節約し安定したエネルギー供給を行うというのが唱い文句だ。
 ところが、この核燃料サイクルの中核とも言える高速増殖炉「もんじゅ」は大きなトラブル続きで実用化のめどが全く立っていない。また重要施設である六ヶ所再処理工場は試験運転中となっているものの、やはりトラブルにより延期に次ぐ延期で本格稼働がいつできるのか不透明だ。
 つまり、核燃料サイクルは実質的に全く機能していないのに、国は一向に計画を見直すことなくじゃぶじゃぶと税金を注ぎ込むばかりだ。
 核燃料サイクルは機能しなくても、原発からは使用済み核燃料が出るから、各原子炉の一時貯蔵施設はいっぱいに近い状態だ。この状況をしのぐために、青森県むつ市に使用済み核燃料の一時貯蔵施設が建設中だ。これが核燃料サイクルの実態。使用済み核燃料が貯まるばかりが実態なのだ。
 一向にめどが立たない破綻状態とは判っていても、核燃料サイクル事業を続けてさえいえば、原発に貯まっている使用済み核燃料の他所への移動が可能となるから、そのために完成のめどが立たなくても核燃料サイクル事業の看板は降ろさない。これが核燃料サイクルに対する、原子力事業に関わる国の機関や事業者の本音なのだ。
 このままでは、核燃料サイクル事業は、永遠の一時しのぎということになりかねない。一時貯蔵施設が実質的に最終処分場となる可能性も高い。
 本来の建設目的を失ったダムの建設が、理由を変えながら続けられるのとよく似ている。しかも核燃料サイクルにおいては、理由が変わったことさえ不都合であるが故に口をつぐんできたわけだ。
 こんな原発を運転し続けるためのアリバイ作りのための核燃料サイクルならびに、将来展望の無いいい加減な原発政策は早々と幕引きとするべきだ。 

参照:東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090502000123.html

「原発のない未来のための前奏曲」記事より転載:http://datugen.blog.fc2.com/