多くの文章術の本で書かれている

文章上達の秘訣は大きく2つです。

 

ひとつは、名文を多く読むこと

ふたつ目は、名文をまねること

 

とされています。要するに、

名文から学びなさいということです。

 

作家の丸谷才一も、

「われわれは新しい言葉を創造することは

出来ない。可能なのは在来の言葉を組み合わせて

新しい文章を書くこと」

 

「言葉づかいを歴史から継承することは

文章を書くという行為の宿命」

と説いています。

 

ある国語学者に文章の上達法を聞いてみました。

 

優れた文章を読むことは、

語彙を増やし、言葉遣いを学び、

文章の流れをつかむことができると言います。

 

それでは、どんな文章で書かれた本を

読めばいいのでしょうか。

 

これも真似から始めるといいそうです。

自分の好きな作家の薦める本の中から自分の興味に

あった作品を選んでみてはどうかとのことです。

 

例えば、

ジャーナリストの池上彰氏は、

ゴーゴリの『検察官』を手本にしていると言います。

また、NHK入社当時は、

「先輩記者の書いたニュース原稿を

ひたすら丸写ししていた。

ラジオのニュースを録音して書き起こして、

原稿の書き方を覚えました」

 

作家の夢枕獏氏は、

坂口安吾『桜の森の満開の下』や

『司馬遼太郎が考えたこと』を

繰り返し読み込んだそうです。

 

文章術を身に付けたいならば、

多読よりも、これはと思う本を

繰り返し読んだ方がいい。

 

手本となる作品を何度も読んでいるうちに、

それを書いた人の考え方や思想も

自分の中に入ってきます。

 

作家の村上春樹氏は、

「何度もテキストを読むこと。

読みながら疑問点をリストアップし、

納得がいくまで調べることが大事」

と書いています。

 

先の国語学者によれば、

「やみくもに名文家の文章を模倣するのではなく、

自分が書きたいものについて手本を選びなさい」

と、言います。

 

プレゼン原稿を書きたい、Webライティング原稿を

書きたいのであれば、

人気の高いプレゼンターやWebライターを探して

その人の文章を参考にしましょう。

 

それらが簡単に見つからない場合は、

新聞の一面コラムを参考にするといいそうです。

 

その理由は、

文章が500字から700字程度にまとまっている。

時事問題の捉え方がわかる。

主張を伝える文章の構成がわかる。

 

最後に、最近では池上氏のように

書き写すことは最近少なくなっています。

パソコンで打ち込む場合は、

単純な入力作業にならないように、

内容を頭に入れながら打ち込みましょう、とのことです。

 

一朝一夕には上達しないでしょうが、

時間をかけてチャレンジしていきたいと思います。