弱点を強化することで長所が伸びるという話
数日前、通っているスポーツクラブの水泳教室でレッスンを受けたとき、いつもと違う代行の若い女性インストラクター(Aさん)が講師だった。レッスンは「弱点克服」の話から始まった。
Aさんの得意泳法は「平泳ぎ」なのだが、伸び悩んでいるとき、自分のコーチに「クロールの練習をしろ」と言われたという。クロールは体の中心線を意識して左右にぶれないことが重要なのだそうで、Aさんは自分の苦手なクロールを、ともかく練習する。その結果、なんと自分が得意泳法としつつも伸び悩んでいた「平泳ぎ」の成績が良くなったのだという。
「弱点を強化することで長所が伸びる」という理屈なのだが、この話をプールの中で水泳パンツ姿で聞いていた私は「あっ!」と思った。前の日に読んでいた本の内容を思い出したのだ。徳永秦さんの著書「漫画ワンピースはこれからの時代のビジネスバイブルだ!」という本。
その本の「弱点克服」の章では、弱点克服の意味は苦手分野の業績をプラスすることではなく、得意分野(長所・強み)の業績をアップすることにある、という主旨が説かれている。
弱点と長所は補い合うものなので、弱点がある場合、長所の一部を弱点側に融通することによってバランスさせるようにできている。長所の強みを100%発揮したければ弱点を強化する必要がある、という話だ。
私はこの本の話をAさんにしたかったのだが、レッスンのあとにプールに2人で残っているわけにもいかないので、それはできなかった。