Twitter活用失敗 UCC上島珈琲のその後
2010年2月5日午前10時、UCC上島珈琲は、コーヒーにちなんだエッセイや画像などの作品を募集する「コーヒーストーリー大賞」「コーヒーアート大賞」のキャンペーンにTwitterを使った。
11個のBOTアカウントを作り、「コーヒー」「懸賞」「UCC」「小説」など約30のキーワードを各アカウントに振り分け、それぞれのキーワードに反応してメッセージを返信する自動システムを稼動させた。
ネットには批判が沸き起こり、Twitterユーザー、Twitter運営者からスパム判定を受けてしまう。
Twitterキャンペーン開始から2時間後には中止。全アカウントが送ったツイートは536件。
マーケティング責任者が午後1時ごろ、上島豪太社長に相談。上島社長は「すべての情報を正直に出して謝罪する」と決め、午後3時20分に謝罪文(PDF版)、その後HTML版も公式HPで公開した。
キャンペーン開始から2時間弱で自らアカウント削除などを実施し、その後数時間で謝罪文を掲載する対応ぶりに、ネットでは「早い」と驚く声も上がっていた。
7日午後11時ごろには、上島珈琲店なうのアカウントで、「我々の未熟さから皆様にご迷惑をおかけし、現在グループ社内で自分達の失敗について議論しており、週明けにはご説明の機会をいただくかと思います今しばらく推移を見守って頂ければ有り難く思います」などとツイートした。
週が明けた9日には、ITmediaなどネットメディア向けの説明会を開き、改めて経緯を説明。「一方的な発信に終わらせたくない」。
「マスメディアとソーシャルメディアの違いがよく分かった」
「Twitterはユーザーのつぶやきを聞きながらコミュニケーションするもの」
「担当者の人間力が必要と痛感した」
EC推進室の坂本晃一室長はそう反省したという。
ソーシャルメディアに関するグループ内での情報共有が不十分だったという反省も。
「上島珈琲なう」のアカウントでは、担当者がフォロワー1人1人と丁寧に接し、騒動前から1000人以上にフォローされていたが、この経験も今回のキャンペーンに生かされなかったというのだ。
また、マーケティング本部が独自で企画を進め、ネットに強いEC推進室が企画・運用に関わらなかったことも問題を大きくしたと、坂本室長は反省しているそうだ。
今後はTwitterを使ったソーシャルメディアマーケティングの勉強会を開き、その内容を広く公開することでTwitterのマーケティング利用を盛り上げていきたい考えだという。