前回(
コンペの裏側からお届け(1) - どんな制作会社がコンペで競合になっているの?)に引き続き、今回も「コンペ」のことについてお話をします。
今回は
「プレゼンテーションで、これをやっちゃうとクライアントの印象が悪くなる」ことを、5つのポイントでまとめてみました。
制作会社のWebディレクターの方も、この5つのポイントを読んでみると、過去のプレゼンテーションで出来ていなかったと思い当たる節があるのではないでしょうか!?
ちなみに、クライアント側にやって来てこれまで聞いてきた提案で、この5つのポイントが出来ていないプレゼンテーションに遭遇することが何度もありましたよ。その制作会社は、残念ながら印象は悪くなってました。
●ポイント1:「RFP(提案依頼書)」にきちんと応えていること。「RFP(提案依頼書)」に記載されていることは、クライアント側では切実に解決したいと願っている「課題」です。
つまり、提案依頼で「課題」として伝えている以上、クライアント側では真っ先に「解決」したいことで、その解決策を示していない提案書は、いくら提案の内容が素晴らしく充実していても「課題解決」になっていない理由で却下されます。
あと、RFPをあえて外した独自性の高さを売りにした提案もよくあるのですが、もちろんクライアント側も独自性の高い提案は欲しいところです。ただ、コンペを主宰する側として、そういった提案は「提示した課題をクリアー」してからの「プラスα」のことです。
●ポイント2:「実現」できる提案になっていること。クライアント側にやってきて、これまでいろんなコンペを聞いてきた中で、アイデアが面白く、結果も出そうな提案はいくつもありました。
ただ、「アイデアの実現」で評価した場合、社内インフラ環境や体制、予算・・・などなど、条件で折り合いが付かずに「不採用」になった残念な提案も沢山ありました。
たとえ、素敵な提案であったとしても、その提案内容の「実現」ができなければ、その案はクライアント側にとっては残念ですが無用です。
クライアント側の「実現力」もきちんと計りながら「実現ができる」提案書を作成することは大切です。
そのためにも、クライアントへの質問はしっかりと行って、クライアント側の状況を把握しておくことは勝つための提案をするために大切な行いです。
●ポイント3:プレゼンテーションの時間は「極力短く」すること。コンペともなると多い時で1日5社ほどの提案を聞くことがあります(5社になると、ほぼ1日中です)。
もちろん1社1社の提案は集中して聞いていますが、ただ何時間も聞いていると集中力はやはり低下していきます。
実のところ時間が長いプレゼンテーションは、後の方の説明は結構印象も記憶も薄いです(早く終わらないかと、ちょっとイライラしている人も結構いたりします)。
クライアントにやってきて、これまでのコンペを聞いた経験上にですが、コンペで聞く側の集中力が保てるのは「40分」くらいでしょうか。
●ポイント4:提案内容に「一貫性」をもたせること。制作会社からの提案を聞いていて良くあることは、提案内容に「一貫性」が伴っていない残念な提案もよくあります。
例えば、これまでに実際にあった提案では・・・。
・戦略の考え方は良いが、その考えがデザインに落とし込まれていなかった。
・サイト設計の考え方とアウトプットするデザインに食い違いが起こっていた。
・酷い時は、起承転結がバラバラな「ロジックが破たん」した提案があった(←これは聞いている方も苦痛でした ^^;)。
コンペの提案書を作る際は、戦略策定、サイト設計、システム、デザインと、それぞれのパートを手分けをして作成に取り組むことが多いと思いますが、やはり他人同士でことを進めれば考えに相違は出てくるものです。
この提案は「一貫性」が持たれているか?は、プレゼンのギリギリまでメンバー間できちんと確認し合っておくことは大事です。
●ポイント5:「声が大きく」「歯切れよく」話すこと。「声が大きく」「歯切れの良い」プレゼンテーションは、提案内容に対しての「自信・信頼性」を与えることに有効に働きます。
実際に、「声が大きく」「歯切れの良い」プレゼンテーションは裏側の選定の場でも「好印象」の意見が多く。逆に「声が小さく」、「歯切れが悪い」プレゼンテーションは「あの提案は失敗しそう」など「マイナス」の意見が多いです。
つまり、「声の大きさ」や「歯切れの良さ」ひとつで選定の合否が左右されていることもあります。
今回のブログで上げたポイント以外にも、コンペの選定において様々な評価ポイントがあるのですが、こちらは今後のどこかの回で説明をしていきたいと思います。
多くのブログの中から、本ブログを最後まで読んでいただきありがとうございました。