症状:


胃がんは、早い段階で自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。


代表的な症状は、胃の痛み・不快感・違和感、胸焼け、吐き気、食欲不振などがありますが、これらは胃がん特有の症状ではなく、胃炎や胃潰瘍の場合でも起こります。検査をしなければ確定診断はできませんので、症状に応じた胃薬をのんで様子をみるよりも、まず医療機関を受診し、検査を受けることが重要です。


症状の原因が、胃炎や胃潰瘍の場合でも、内視鏡検査などで偶然に、早期胃がんが発見されることもあり、貧血や黒色便が発見のきっかけになる場合もあります。食事が喉に通らない、つかえる、体重が減る、といった症状は、進行胃がんの可能性もあるため、早めに医療機関を受診する必要があります。


疫学・統計:


胃がんの罹患率、死亡率を、年齢別にみた場合、ともに40歳代後半から増加し始め、男女比では男性のほうが女性より高くなります。また、死亡率の年次推移は、1960年代から男女とも減少傾向にあります。

がんで亡くなった人数を部位別に多い順に並べると、最新の統計データでは男女とも胃がんが第2位となっています。

罹患率の国際比較では、東アジア(中国、日本、韓国など)や南米で高く、欧米など白人では低くなっています。また、アメリカでは、日系、韓国系、中国系移民の罹患率が白人より高くなっていますが、それぞれの本国在住者よりは低い傾向にあります。一方、日本国内では、東北地方の日本海側で高く、南九州、沖縄で低い「東高西低」型を示しています。 


胃がん検診:


早期胃がんの場合は、多くの患者さんが検診によって発見されています。症状の有無にかかわらず、毎年定期的に検診を受けることが、早期発見のために最も重要なことです。

胃の検査方法として一般的なものは、「胃X線検査」、「胃内視鏡検査」、「ペプシノゲン検査」、「ヘリコバクターピロリ抗体検査」です。