胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になったものです。細胞の分類としては、組織型(顕微鏡で観察したがん細胞の外見)のほとんどが腺がんで、分化度は大きく分類すると、分化型と未分化型に分けられます。同じ胃がんでも、細胞の組織型や分化度で治療方針は異なります。


胃がんは、粘膜内の分泌細胞や、分泌物を胃の中に導く導管の細胞から発生します。はじめは30~60μmの大きさで、年単位の時間がかかって5mm程度の大きさになるころから発見可能になります。そのため、胃がん検診などで見つけられる大きさになるまでには、発生から何年もかかるといわれています。

進行するに従い、がん細胞は胃の壁の中に入り込み、全体を包む漿膜の外に出て、近くにある大腸、肝臓、膵臓などに浸潤します。この外方向への進行の程度は、深達度(しんたつど)と呼ばれています。がんの種類によって、胃の内側へも突出するように進行するものと、水平方向に広がるもの(表層進展型)があります。


特殊な胃がんとして、胃の壁の中を広がるように浸潤し、粘膜の表面にはあまりあらわれない「スキルス胃がん」があります。胃の粘膜面へがんが突出することが少ないため、胃X線検査や内視鏡検査でも診断が難しいことがあります。早期の段階での発見が難しいため、進行した状態で発見されることが多く、治療が難しい胃がんの種類の1つです。がん細胞の増殖が速い傾向がある未分化型がんが、スキルス胃がんと同様であると誤解されることがありますが、未分化型がんであっても、深達度の浅い早期がんであれば、スキルス胃がんではありません。


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