なぜ「仮想通貨」という呼び名が変わったのか？
1. 導入：名前の整理から始めよう
英語表記の提示: ニュースやネットで、2つの呼び方が混ざっていて混乱していませんか？
Cryptocurrency （クリプト・カレンシー / 暗号通貨）
技術的な側面（暗号技術を使った通貨）を強調した、元々の呼び名。
Crypto Assets （クリプト・アセット / 暗号資産）
金融・法的な側面（価値のある財産）を強調した、現在の日本の正式名称。
現状: 日本では法律の改正により、「仮想通貨」から「暗号資産」へと呼び名が変わりました。
テーマ: なぜ「通貨（Currency）」ではなく「資産（Asset）」と呼ばれるようになったのか？
その理由を知ると、Web3の本質が見えてきます。
2. 比較：電子マネー（Suica/PayPay）との決定的な違い
「スマホでピッ」と払う点は同じですが、裏側は別物です。
電子マネー（デジタルな「円」）:
管理者: 企業（JRやPayPayなど）が管理。
価値: 「1ポイント＝1円」で固定されています。
本質: 現金の代わり。あくまで「日本円」をデジタル表示しているだけです。
暗号資産（デジタルの「金・ゴールド」）:
管理者: いない（ブロックチェーンで管理）。
価値: 変動します。 みんなが欲しいと思えば上がり、要らないと思えば下がります。
本質: 日本円とは無関係な、インターネット上の独立した価値です。
3. 価値の源泉：なぜデータなのに価値がある？
「ただのデータなのに、なぜ1ビットコインが1000万円を超えているの？」という疑問に答えます。
金（ゴールド）との共通点
金（ゴールド）が高いのは、「埋蔵量に限りがあり（希少性）」「世界中の人が価値を認めている」からです。
デジタル・ゴールド
例えばビットコインは「発行枚数が2100万枚まで」とプログラムで決まっています。
誰かが勝手に印刷して増やすことができないため、「希少なデジタルデータ」として価値がついているのです。
4. 役割：Web3.0 時代を動かす「燃料」
ただの投資（ギャンブル）の対象ではありません。
Web3.0時代、この世界での実用性を解説します。
イーサリアムの場合:
以前解説したように、イーサリアム（プラットフォーム）を動かすための「燃料（ガス代）」として使われます。
暗号資産がないと、Web3のサービス（DApps）は動きません。
参加権として
特定の暗号資産を持っている人だけが参加できるコミュニティ（DAO）や、投票権としての役割もあります。
5. 種類：代表的な3つのタイプ
一括りにされがちですが、大きく分けて3つの性格があります。
ビットコイン (Bitcoin)
「デジタルの金」。価値の保存がメインです。
アルトコイン (Altcoin)
イーサリアムなど、ビットコイン以外のすべての総称になります。
機能や用途が様々あります。
ステーブルコイン (Stablecoin)
価格が「1ドル」などに連動するように作られたコインです。
そのため、決済に使われやすい仮想通貨になります。
6. 結論：通貨を超えた「資産」へ
「Cryptocurrency（通貨）」として買い物に使う未来も来るかもしれませんが、現在は「Crypto Assets（資産）」として、金や不動産のように保有・運用する側面が強くなっています。
Web 3.0 時代の三種の神器を確認しましょう。
ウォレット（財布・ID）
秘密鍵（ハンコ・パスワード）
暗号資産（現金・燃料）
これで、Web3の世界を歩く準備はすべて整いました！
