デザインの仕事を始めてから、長時間モニターに向かうのが当たり前になりました。作業に集中していると時間を忘れてしまうことも多くて、気づいたら6時間ぶっ通しということもざらにあります。そのせいか、20代の後半あたりから目の疲れよりも先に首の付け根が限界を訴えるようになっていて、仕事終わりに肩を回すのが習慣になっていました。職業病のようなものだと思って、深く考えたことはなかったのです。
首が痛いのはずっとモニターを見ているから仕方ないと思っていたのですが、あるとき友人のデザイナーが「椅子変えたら首が全然楽になった」と言っていて、少し引っかかりました。同じような仕事をしているのに、自分のほうが明らかに疲れ方がひどい。椅子が原因かもしれないという発想はそれまでなかったのですが、言われてみれば自分の椅子は何年も前に適当に選んだもので、座り心地について真剣に考えたことがなかったと気づきました。
使っていた椅子を確認してみると、背もたれが固定式で角度を変えられないことと、座面の高さが今のデスクに対してやや高すぎることがわかりました。高すぎる座面に合わせると足がつかなくなるため、知らないうちにつま先で床を踏ん張るような座り方をしていたようです。下半身に余分な力が入り続けていれば、上半身にも影響するのは当然のことでした。長時間集中して作業するほど、その負担が積み重なっていく。思い当たることがありすぎて、思わず苦笑いしてしまいました。自分でも気づかないまま、ずっとおかしな姿勢で座り続けていたのです。
見直しにあたって、今回は実際にいくつかのオフィスチェアに座り比べることにしました。ショールームで試してみると、背もたれのリクライニングが自然に体の動きに追従してくれるオフィスチェアがあって、座ったときの首と肩の楽さが全然違うことに気づきました。硬い背もたれに背中を押しつけるのではなく、動きに合わせてサポートしてくれる感じです。座面の高さや奥行き、アームレストの位置まで細かく調整できるオフィスチェアを選んだことで、足裏がしっかり床につき、肩に余計な力が入らない姿勢が保てるようになりました。デザインの仕事は画面に近づいたり離れたりと体が動くので、その動きに対応してくれるオフィスチェアは特にありがたいと感じています。
新しい椅子にしてから1ヶ月、仕事終わりの首の痛みが明らかに軽くなりました。以前は肩を回さないと気が済まなかったのに、今はそれが必要ないことも増えてきました。作業に集中できる時間も伸びた気がします。体の力を仕事に使えるようになったということかもしれません。
椅子のことを真剣に考えたのは今回が初めてでしたが、もっと早くやればよかったというのが正直な感想です。体に影響が出てから動くのではなく、環境から先に整えておく。それが結局、仕事の質を保つためにも必要なことだと実感しました。