おはようございます。


前回、災害を英語で表現するには当たり、一通りの英単語を紹介してきました。
紹介をする前にも、津波と"tsunami、台風と"typhoon"は聞いたことがあったのではないかと思います。
津波は"tsunami"とそのまま日本語が英語でも使われています。"typhoon"も日本語の台風と同じ響きです。なんで?由来は?と一度は疑問に思ったことはあるのではないでしょうか。

 



ちなみに津波は"tidal wave"と表現する場合もありますが、この場合の津波は本来潮の干満のことであって、地震による津波とは異なります。よって地震での津波は"tsunami"であり、"tsunami"と"tidal wave"は別物なのです。
英語文献において、"tsunami"という語が使われた例は、現在のところ『ナショナルジオグラフィックマガジン』1896年9月号に掲載された明治三陸地震津波を報じる記事とされています。

しかし、一般的に"tsunami"の初出作品として知られているのは、小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンが1897年に出版した「仏の畠の落ち穂」"Gleaming in Budda-Fields"の中に収録された「生神様」"A Living God"です。濱口梧陵をモデルにした「生神様」では、地震後に沿岸の村を飲み込んだ巨大な波を"tsunami"と日本語で表現したことが初めとされています。

その後、1904年の地震学の学会報告にはじまり、地震・気象の学術論文等に限られていた。元々英語圏では"tidal wave"と言われてきましたが、この語は本来「潮汐」"tide"による波を指しており、地震による波にこの単語を使うのはふさわしくないと判断され、現在では "tsunami"が用いられることが一般的とされています。研究者の間ではseismic sea wave"(「地震性海洋波」
1946年のアリューシャン地震でハワイ諸島に津波の大被害があった際には日系移民が"tsunami"を用いたことから、ハワイで"tsunami"が使われるようになり、被害を受けて設置された太平洋津波警報センターの名称も1949年には"Pacific Tsunami Warning Center"とされたことから、アメリカ合衆国ではこの語が広く用いられるようになったと言われています。その後、1968年にアメリカの海洋学者ウィリアム・G・ヴァン・ドーンが学術用語として使うことを提案し国際語化されました。
それでも津波がしょっちゅう起きている訳では無いのでなかなか世界中に広まる機会は少なかったのですが、スマトラ沖地震による津波が激甚な被害をもたらしたことにより世界中に"tsunami"と報道されたことをきっかけに、一気に各国の言語で一般語となりました。

また、台風は基本的に"typhoon"の音訳と言われています。
そもそも台風とは颱風といい、17世紀に中国で音訳としてつくられた用語でした。
台風という表記はそれが語源ともなっているようです。時期的には明治の終わりか大正の初め頃からと言われています。

そして"typhoon"の語源として,いくつかの説がありギリシア語起源とアラビア語起源が有力です。なので日本語で言う「台風」とは直接的な語源としては"typhoon"の音訳であると言うことが適切かと思います。

ちなみに先述にもあったように、時期的には明治の終わりか大正の初め頃からとされていますが、自然現象としての台風は近代的な気象観測が始まってから認識されたものです。なので江戸時代には認識されていませんでした。
そしてその時代「野分」などと呼んでいたものがありますが、今でいえば「野分」が台風に当たるのではないかと考えられているのです。

 

 

そろそろ各地から梅雨明けの便りが入ってきています。梅雨が明けると、次は台風の時期がやってきます。毎年言われていることですが、台風や災害には事前の備えが必要です。いざとの時がやってきてからではどうしようもありません。翻訳でも同じことが言えます。翻訳を頼まれた経験のない人は、すぐに出来るだろうと思ってる方が多々おりますが、内容と分量によっては時間が掛かります。Webで翻訳も出来るだけお客様の希望に沿えるようには努力致しますがご期待に沿えないこともあります。翻訳を頼まれる際は、事前にこれくらいの量の翻訳がいつまでに必要と翻訳家に質問をしていただければ、どれくらいの日数が掛かるか教えてくれます。どれくらいの期間が知りたい方は、Webで翻訳の翻訳家に確認してみてください。

 

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