そのままの先生で | てつこ文集

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一日の中身は仕事とプライベートと興味と気持ち。
自由奔放に書き綴る文集にお付き合い下さい。

上海から電話が来た。

相手は去年卒業の女子学生だった。

朝鮮族の学生は日本語学習を早期から始めている人が多く

文法も似ているからか上手な人が多い。

その女子学生も朝鮮族で明朗闊達な性格は

他の学生より少し垢抜けてみえた。

一時韓国語を勉強しようとその学生に家庭教師をしてもらった事もあった。

大学4年生になると進路の決定や成績や日本語力が明確になる分

これまでの教室の雰囲気とは一変、無気力、無関心になる人が増える傾向に

ある前期だったりする。

彼女も例外ではなかった。3年時の調子でいけば楽しみな学生だったが

友達と話すわ途中でサボるわ、すき放題になっていた。

前のように私と話すこともなくなっていた。

私は私で授業中そんな学生たちをよく注意していたから目障りな存在に

なっていたと思う。


上海に移り、8月に就職できたのだという。

中国で大手の企業らしくとてもいい会社に受かったと弾んだ声。

有名大学の学生に交じり面接を受けた時の事。

面接官の知らない大学の彼女に

「今までお世話になった先生は誰ですか」と質問があった。

そこで私の名前を言ったのだという。

中国でとてもとても有名な大学の学生でも全く日本語が話せない人ばかりで

本人は驚いた。今、自分がこれだけ話せるのは先生のお陰だと思った。

だから感謝を言おうと電話しました。本当にありがとうございました。

これからもそのままの先生で学生に日本語を教えてください。

上海に来たときは案内するので連絡をください。


物事がいい方向へいった時、それまでの時間を肯定的に

振り返られるのかもしれない。誰かに感謝できた時一歩成長した表れと

なるのかもしれない。

嬉しい電話だった。