先日、タレントの川平慈英さんに
落語の設定でCMをしていただく撮影を行ったんですが

その時に監修として手伝っていただいた
沖縄在住の落語家さん
北山亭メンソーレさんの
落語会を昨日見てきました(^^)

 

 

 



メンソーレさんの落語はもちろん面白く
笑わせていただいてきたんですが、

言葉の持つ力をいかに使いこなすか、
その道を追求されている落語家という道
これはとっても奥深く険しいすごい道だぞと
改めて感銘を受けましたし

その道を歩んでいるメンソーレさんと
今後もいろいろと一緒にお仕事させていただきたいと
思って帰ってきました。

沖縄在住の方、
メンソーレさんの落語会は
毎月第一土曜日の19時に行われていますので
ぜひ見に行ってくださいね。

 



で、言葉の力といえば
私の座右の書、
岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」

この本の言葉には
定期的に読んで、
頑張るパワーをもらってきているんですが

この本の魅力を
人気YOUTUBERのアバタロウさんが
非常に簡潔に要約してくれていたので
今日はその内容を書き出しました。

 

 

 


アバタロウさんの動画、本当に素晴らしいですから
ぜひご覧になっていただいた上で
テキストでも味わいたいという方がいましたら
この記事もご覧になってくださいね。

では、どうぞ!


岡本太郎さんといえば日本を代表する画家
芸術家としてご存知の方も多いと思います

代表作は何と言っても太陽の塔ですよね
1970年大阪万博で披露された
誰もが一度は見たことがある作品です

さあそんな岡本太郎さんが書かれた
この本ですが随分怪しげなタイトルです
どんな本なのか一言で言うと
自分の人生を後悔なく歩んでいくための自己啓発本です

500円ぐらいの安くて薄い本なんですよ
ただこんなに値段と書いてある内容が
釣り合わない方は珍しいんじゃないでしょうか

そう言ってもいいぐらい
この一冊には数値化し難い価値があります

今日はその内容と魅力について
たっぷりとお話しできればと思っています

ではどういった方が特にお勧めなのか

自分の気の弱さが許せない人
情熱を燃やせるようなやりたい何かが見つからないという人
継続力がない人
いつも人と比べてしまい自信喪失しがちな人
強い意志エネルギが湧いてこない人
全てが中途半端で
自分には大した価値がないと思っている人
何とも言えない孤独感がある人
幸せとは何なのか見失ってしまった人

これに1個でも当てはまれば
見ていただいて損はないと思います

全部当てはまってしまったという方は
もうバイブルとして今すぐお買い求めください

ただ一見しますと
人を元気づける成功者の言葉みたいに捉えられがちなんですけれども
この本の真の魅力
本当の面白さはそこではありません

岡本太郎という人物と彼の言葉とあと作品
これらがひとつなぎになることで
この500円の本が
爆発的なメッセージ性を持つアートに変貌するからです

是非そういったところにもご注目いただきながら
最後までお楽しみください

それではまいりましょう
岡本太郎「自分の中に毒を持て」

まず目次をざっと覗いていきましょう
※ここはちょっと私の補足も加えさせていただきました。

1、外な発想を持たないとあなたの価値は出ない
2、個性の出しカ方 薬になるか毒になるか
3、相手の中から引き出す自分 それが愛
4、あなたは常識人間を捨てられるか
の4章で構成され

さらに各章を見ていくと
「一度死んだ人間になれ」
「好かれるヤツほどダメになる」
「男と女に知的関係はあるか」
「きれいになんて生きてはいけない」

などなど、
非常に気になる
タイトルがたくさん並んでいます

 

 

 



では早速一発目です
自分の気の弱さが許せない
人に向けてのお話見てまいりましょう

自分はそういう人間だ、駄目なんだ
まずはそれをまず認めなさい
そんな気の弱いことでどうすると自分を責めても
自分の気持ちは決して強くならない
むしろ自分は気が弱いんだと思う
逆に強くなろうとじたばたしない方がいい
これは諦めろという意味ではない
自分は気が弱いことを自分で認めてしまえとそう言っているんだ
そうすれば何かしら自分なりに積極的になれるものが出てくる
無条件にやりたいと思えるもの
情熱を傾けられるもの
それが見つかる
もしそれが見つかったら
もう人がどう思うとか
他人の目は気にするな
萎縮せず、ありのまま行きなさい
情熱が見つからない時も
この姿勢が大事だ

ダメならダメ人間でいいと思って
ダメなりに自由に制約を受けずに生きていくんだ
そうすれば
必ず何か見つけられるチャンスが自ずと開けてくる
一日でも早くそうするといい

ここで言っているのは変に力んで
自分を変えなくていいそのままでいいよということです

今ネットで色々と自分を変える方法とか、スキルとか
探せばいっぱい出てきますよね

科学的にはこうするといいとか
もういいよというぐらい出てきて
実際どうでしょうか?何か変わりましたでしょうか?

きっと変わったこともあるんだと思います
でも実際変わらないことの方が多かったんじゃないでしょうか

例えば元々ネクラの人が
急に芸人さんみたいに明るくなるとか
もう方法論でどうにかなる問題じゃないこともあるわけです

本来の自分ではない自分を演じても
ぎこちなくなったり痛々しくなったり
そしてまたそんな自分を責めてしまう

まずはありのままの自分を認める
その次のステージに
あなたが一生かけて情熱を傾けられる夢があるんだ
そう言ってるわけです

でも言うのは簡単ですけど
なかなか見つからないですよねえ
そんな情熱を燃やせるような
やりたいことがない人に対して
岡本太郎さんは一言こう言われます

「無条件で生きろ」
この言葉は本書で
何度も強調されている中庸なワードです
ただ無条件で生きるというのは
意味が分かりづらいですね

例えば英語を習いたいんだけど
今年は時間がないから来年始めようとか

旅行行きたいんだけど
ボーナス出てからにしようとか

ランニング始めたいんだけど気温が
もう少し暖かくなってからにしようとか

婚活パーティー行きたいんだけど
もうちょっと痩せてからにしようとか

こうやって
もし何々したら○○しようというように
自分の生き方に条件を付けていませんかと言っているわけですね

そうじゃなくて
ちょっとでも情熱を感じたら
今すぐやりましょうよ
チャレンジして失敗してもいい

やりたいことを力んで
見つけようとしなくていい

とにかくちょっとでもモチベーション曲線が上を向いたら
それを無視しちゃ駄目です

いちいち条件とか考えずに飛び込んでいきなさい
それを繰り返していくうちに
自分の中に燃え上がる何かが見つかるんだよ
そういうことを言ってる訳です

あと読書についても
自分自身との対話という意味で強く薦められていますね
特に思想的な本、小説ならわりと真面目な小説
生き方を見極められるような本ですね

それを読んで
運命全体を考えなさいとのことです

では仮にやりたいことが見つかったけど
その情熱が続かなかった場合はどうすればいいのか
という方もいらっしゃると思います

それに対して岡本太郎さんはこう言われます

「三日坊主で構わない」
その瞬間にすべてをかけろ

どうでしょうか
継続は力なり、石の上にも三年、なんて言われますが
家庭教育、学校教育において継続することの重要性は
幾度となく強調されてきました

それだけではありません
メディアでも
例えばイチローさんのコツコツした地道な努力を何度も見ては
私たちもこうあるべき
これぞ成功者の鏡
人としてあるべき姿
そうやって刷り込まれてきました

もちろん継続性、
それ自体の素晴らしさは否定のしようがありません

しかし一流のアティストでもある
岡本太郎さんが美的感覚を覚えるのは
そこじゃないんです

ちょっと始めてみようかなと思うその瞬間
自分の薄暗い心の中でぼやっと光わずかな灯火
その一点のみを見つめるんだ
そして、それに全てをかけるんだ

そう言っているんです
継続できなければ意味がないという常識
それにとらわれ結局何もできずにいる人が
一体どれだけいるでしょうか

三日坊主の自分を責め続けてきた
人の苦しみを解き放つような言葉ですよね


さあ次のテーマは人と比べてしまい
自信を喪失してしまっている人です

なるほど確かに最近ではこういう方が
多いなんて
よく耳にしますが
いかがでしょうか

特にSNSをやっていると
輝いている誰かと今の自分を比べてしまう
そして自分の実力のなさ
自分の生活レベルを卑下してしまい
結果自分に対する自信がなくなってしまう

一度ぐらいそういうご経験はないでしょうか
それについても
岡本太郎さんははっきりこう言われます

自信なんてのはどうでもいいじゃないか
そんなもので行動しても
ろくなことにはならない
ただ僕はありのままの自分を貫くしかないと覚悟を決めている
それは己こそ最大の敵として容赦なく戦い続けるということなんだ

頭が悪かろうが
顔が悪かろうが
財産がなかろうが
それが自分
それが絶対なのだ

そもそも自分と他人を比べるから
自信などというものが問題になってくるんだ

自分の信じていること
正しいと思うことに
脇目も振らず突き進むんだ

私は自信に満ちているように見えると言われるが
自信などを持ちたいという卑しい考えをもたぬよう
自分を突き放しているだけなんだ

自分で自分を最低の悪条件に突き落とすんだ
最大の敵は自分
ならばを殺せ
それが人生の極意だ
自信なんてのは相対的な価値観だ
誰より上とか下とか
そういう考えにとらわれている証拠だ

人間はもっと
生きるとか死ぬとか
そういうラインを越えた
絶対観によって生きなければ駄目なんだ

はい、徐々に激しさを増してきましたが
いかがでしょうか

人間は得てして他の誰かと比べたがります
それはあらゆる物事を相対的に見るよう
プログラムされているからです

給料が高い、身長が高い、容姿がいい
それは比べる他者がいるからこそ
そう認識できるわけです

これは自己評価に限らず
物事を選択する時もそうですよね

こっちの方がお得だこっちの方が儲かる
そういう人間の行動特性
心の動きは
今やあらゆるビジネスで応用されています

岡本太郎さんはそんな常識、
フレームの中で生活している私たちに
今すぐ外に出ろと叫んでいるんです

メンタル系の本を何冊も読んで
ああでもない、こうでもないと頭で考えるより
こういうパワーワードに触れる方が
よっぽど心に響くという人も多いんじゃないでしょうか

個人的には「絶対観によって生きろ」
この言葉が一番好きですね
おそらく皆さんもこの本を読めば
必ずぐっとくる言葉が見つかるはずです

ただですね
自分をきつい環境に放り込む
なかなかできることじゃないですよ
そんな強い意志エネルギが湧いてこない人に向けて
岡本太郎さんはこのように言われます

画家にしても才能があるから絵を書いているんじゃないかとか
情熱があるからそこまで行動ができるんじゃないか
という人がいる

勘違いしてはいけない
逆だ
何かやろうと決意をしているから
意思もエネルギも吹き出してくるんだ

何も行動していないで
意思なんてものはないんだ
自信はない
でも
とにかくやってみようと決意をする

その一瞬にかけてみろ
それだけでいい
いや
それしかないんだ
意思を強くする方法なんてない

そんな余計なことは考えるな
本当に君が今やりたいことに
全身全霊をかけて集中するんだ

何度も言おう
うまくいくとか
いかないとか
そんなことはどうでもいい
結果は関係ない
自分の運命をかけるんだ
そうすれば
必ず意思は湧いてくる

いかがでしょうか
だいぶ熱いですね

難しく余計なことを考えず
もっとシンプルでいい
シンプルにやりたいことに集中しなさい
あれこれ自分をいじくり回さないでいい
そう言っているんです

心の重みが取れると同時に
炎が宿るような熱い言葉に
徐々にこちらの心も熱くなってきますね

もしかしたら人によっては
自分も情報発信してみようとか
副業してみよう
転職してみよう
なんかちょっとそういった一歩踏み出そうという
気持ち出てきたんじゃないでしょうか

ただまだ心のどこかに
こんな気持ちはないでしょうか

僕は自分に自信がないというか
そもそも中途半端なんです
歌にしても
喋りにしても
仕事にしても
全部が中途半端で
価値を提供できるものが多分ないんですよ

だからやっても
意味があるのかなって思っちゃうんですよ
なるほどそれでは全てが中途半端で
自分には価値がないと思ってる人に向けた
岡本太郎さんのご意見を聞いてみましょう

本当に生きるということ
それはいつも自分は未熟なんだという前提で
かつそれを平気だと思って生きることだ
それを忘れちゃいけない

熟すというのは
議論や熟練とは関係がない
これは私の信念だ

芸術はもちろんスポーツも歌も会話も全て下手なら
むしろ下手こそいいじゃないか
そう思って平気でやればいい

もっともっと下手にやろうと決心すれば
かえって人生が面白くなるかもしれない

逆に歌やスポーツや会話のうまいやつに限って
世間の型や基準のもとに決められ
それに慣らされている人間だだから

うまいやつほどどのくらいの位置に自分がいるのか
まず基準の方を先に考えてしまう

しかしそんな基準なんて無視だ
下手は下手なりに自分は下手なんだと
自覚をし決意をすれば
もっと自由な歌い方もできるし
スポーツにしてもなりふり構わず
自由に動くことができるだろう

下手ならなお結構
これは私が昔から言っていることだ
例えば甘いと評判の絵や歌にしても
ちっとも感動しない

だからと言って
下手であることをジメジメ認めては駄目だ
そうじゃなくて自由に明るく
その人なりのユニークな下手さを押し出すんだ
そうすれば逆にその下手さが活きる
あなたの魅力に変わるんだよ

いかがでしょうか
心の空気を入れ替えてくれるような
清々しいパワーワード連発ですね

岡本太郎さんは
無条件で生きることの重要性を強調されていましたが
まさにここだと思います

自分は下手だから
もうちょっとうまくなったらやろう
もうちょっと練習してからやろう
確かにそうなっちゃうんです

でもやろうと思った時
その一瞬あなたの心の中でパッと光る
小さな灯火それに
全てをかけろということでしたよね

なんか徐々に新しいことに
チャレンジしたい気持ちが湧いてきましたね

さあ次のテーマは孤独についてです
挑戦者には必ず付いて回る孤独感

これについて
岡本太郎さんの言葉を聞いてみましょう


孤独だという人はもっと激しく
自分を突き放してみたらどうだろう

人に好かれようなどと思わず
人から孤立してもいいと
腹を決めて、自分を貫いていけば
本当の意味でみんなに喜ばれる人間になれる
自分にとって一番の敵は自分自身なんだ

その敵であり障害をよく見つめ
そして戦うんだ

つまり自分を大事にし過ぎているから
色々と思い悩む
そんなに大事にしないで
よし、それなら今度から好かれなくていいと決心をして
自分を投げ出してしまうんだ

だめになって結構、そう思ってやればいい
最悪の敵は自分自身なんだ

自分をぶっ壊してやるというつもりで
それくらいの激しさで挑むんだ

そうでなければ
今までの自分を破壊して
新しい自分になることはできないんだよ

人は自分を客観的に見ているように思っていても
実は誰もが自分のことがかわいくて
大事にし過ぎている
そういう自分をもう一度外から眺めてみるんだ

なんだお前は
この世の中で豆粒ほどのちっぽけな存在だ
それがうぬぼれたり
また自分を見下したりして
嫌になったりしているなんてくだらないんだ

そうやってつっぱなして
今の状態を在り在りと見てほしい

自分が豆粒ならそれでいい
小さな存在こそが世界を覆うんだ


いかがでしょうか
自分の中で大事に捉えていたことが
いかに小さく取るに足らないことであるか思い知らされます

岡本太郎さんは
本書で何度も何度も
自分を大事にしすぎるなと言います

緊張すること
給料が下がること
みんなと違うことをすること
孤独になること

それは誰だって嫌です逃げたいです
でもそうやって
自分のことを箱入り娘のように大事にし過ぎると
今の自分を壊せない、新しい自分になれない
だったら自分をもっと突き放し戦っていくしかない
そう言われているわけです

ただ誤解のないように言えば
何も日常から離れた
突飛な行動を取れと言っているのではなくて

瞬間瞬間に沸き起こる気持ちを信じて
自分の運命にぶつかっていけという訳ですね

さあそして最後のテーマに移りたいと思います
幸せが何なのかよく分からないという人
なんか急に深い感じの話になっちゃいましたけども

幸せとは何なのか

これについて皆さんも一度ぐらい
真剣に考えたことはあるかもしれません

恐らく誰もが幸せになりたい
そう思って生きているのだと思います

ところが岡本太郎さんに言わせれば
幸せとか幸福とか
そういった類の言葉が大嫌いだそうです

鈍い人間だけが幸せなんだって言うんですよね

ちょっとこの感覚理解できますでしょうか
なぜそういう思考感覚になるのか考えてみてください

これは幸せとは何なのかという問いを
自分の中で建てて
考え続けたからこその感覚なんだと思います

どういうことかと言うと
幸せという言葉の裏をよく覗いてみなさい

これで幸せなんだと
自分を納得させている部分がないか
本当は幸せじゃない部分があるんじゃないのか
それを直視せず、ごまかして
何事もないようにニコニコしているだけじゃないのか

家がある
家族がある
給料がある
だから僕は幸せ
本当か。本当に自分は死ぬ瞬間に私は生きたと言えるのか
そういうことを言うんです

岡本太郎さんは
幸せという言葉の裏の裏まで覗き込んだ上で
そうやって私たち読者に
幸せとは何なのかを徹底的に考えさせます

では岡本太郎さん自身は幸せではなく
何を追い求めるべきと考えているのか
読者としてはここが気になるところです

それは幸せなんて言葉では収まり切れない
心の奥底から沸き上がる歓喜

辞書的には非常に喜ぶことを指しますが
実は仏教用語でもあります

読み方は「かんき」ではなく「かんぎ」と呼びます

特に浄土教においては
自分自身の往生が決定した時の喜びを言い表す際に
使われるそうです

その上で岡本太郎さんは
死とか、危険とか、つらいこととか
それらと対決した時に人間は燃え上がる

それこそが生きがいであり
その時に感じているのは幸せなんかじゃない
歓喜なんだ

そういう訳です
もうちょっと分かりやすく言い換えましょう
自分が傷つかない安全で
快適な世界の中に居続けちゃいけないんだ

そこにあるのは
幸せという言葉を借りた偽りの世界だ
自分の心の中をよく覗いてみるんだ
そして心の声によく耳を澄ませてみるんだ

本当にこのまま人生を終えて
君は満足できるのか

ならば幸せという言葉に惑わされず
外の世界に飛び出すんだ

次のレベルそしてまた次のレベルの世界へと
どんどんチャレンジしていくんだ

確かに先へ進めば進むほど苦しい
きっと今より傷つくし
今よりもつらい
最悪死に近づくと言っていい

しかしそっち側に行かなければ
この世界に生まれてきてよかったと思えるような
歓喜を味わうことはないんだ

そういう訳であります

ちなみに名古屋市内のとあるお寺には
歓喜の鐘という岡本太郎さんの作品があります

写真出しておきますけど
とんでもなくとげとげしております

ただの飾りかと思いきや
なんと毎年大晦日
除夜の鐘として鳴らされるそうです
びっくりですよね

さあ、ここまでの話を聞いて
もしかしたら岡本太郎さんのメンタリティ
ちょっと凄すぎてついていけない
いやむしろ若干引いてますという方もおられると思います

マインドがなんか
世界のあらゆる山を制覇してきた
登山家みたいな感じになってますので
恐らく一般人にはちょっと理解し難いかなとも言えます

ただこうやってメタが振り切った人の考え
限界突破した人の思考を
自分の中に入れておくと
自分なりの幸福な人生というものが
客観的に見れて
再定義がしやすくなるんじゃないかなと個人的には思います

さあ、こういった自己啓発的な内容が
中心となる本書でございますが
読み進めますと私たちの生きる社会に対しても
独自の見解を述べられています

特に利潤だけを追求する資本主義的な考え方
何でも割り切ろとする科学主義、合理主義については
強く批判をされていました

人間はもっと非合理な存在
決して割り切ることのできない存在なのに
なんでもかんでも
システマチックに割り切ろとする社会を
作らないでほしい

人間が生まれてきて
一番痛切に掴み取らなければならないもの
それは生命感だ

生身で運命と対決して歓喜することなんだ


そう言われるんですね
この言葉を目にした時は
あなんか岡本太郎さんらしいなというくらいしか
思わなかったんですけれども

何回か読み返してみますと
違和感を覚えたんです

岡本太郎さんの代表作である太陽の塔は
万博で披露された作品でしたよね

あの万博は人類の進歩と調和がテーマでした

まさにそれを体現する作品、象徴する作品として
知られています

実際に太陽の塔の
オフィシャルサイトにも
人間の尊厳と無限の進歩発展を表現したものと
紹介されているんです

つまり岡本太郎さんが本書で語っている考え方と
代表作である
太陽の塔のテーマが逆なんですね

案の定を調べてみたら
太陽の塔が人類の進歩でも表現しているというのは
実は万博のテーマに合わせた表向きの理由
政治的な理由であって

裏には心のメッセージが
隠されているということが分かったんです

このまま資本主義を突き進み
豊かさ、便利さだけを追い求めては駄目だ

進歩と調和の先には
人間が本当に求めるべき歓喜はないんだ

いずれ人類は自らの歩みを
根本から見直すべき時代がやってくる


そのように岡本太郎さんは
全身で感じていたんです

そこで彼は何をしたか
なんと進歩と調和という万博のテーマの逆を行ったんです

日本で最も古い時代のアート
縄文土器をモチーフにした作品を
万博会場のど真ん中に突き刺したです

太陽の塔はそれ故、別名「縄文の怪物」と呼ばれています

常識のある方はきっと岡本さん
あなたは世界的な祭典で
なんて非常識なことをするんだ
そのように言うかもしれません

でも岡本太郎さんは
この本で何度も「無条件で生きろ」と言われていました

そんなことをしたら多分怒られるだろうな
なんて発想はきっとゼロです

むしろ万博という世界が注目する舞台で
覚悟を決めて
日本人よ目を覚ませと警鐘を鳴らしたです

本書の言葉も
生み出した作品も
そして生き方も
全て岡本太郎という
芸術家の常識にとらわれない
強い思想が流れているんです

それを踏まえた上で
この本を手に取っていただければ
いきなり読み始めるよりも
何倍も面白く
そしてためになると思います

さあそろそろお時間です
2025年には
大阪で万博が行われますが
一体どんな世界になっているでしょうか

皆さまの明るい未来に
歓喜の鐘が鳴り響くこと
心より祈念しております

というわけで自分の中に毒を持て
以上でございます


いやあ、この本
220ページ無い、薄めの本ではありますが
さすが人気YOUTUBERのアバタロウさん、
岡本太郎が投げてくる熱い言葉のエッセンスを
見事に要約して伝えてくれています

もし、この記事の内容が少しでも気になった方がいましたら
オリジナルのアバタロウさんのYOUTUBEの方もご覧ください

岡本太郎さんの「自分の中に毒を持て」
とてもパワーのもらえる言葉に満ちた
私にとっても大事な一冊
ぜひ読んでみてくださいね

では、ここまで