かれこれ25年、テレビCM、ビジネス動画の世界で仕事をさせてもらってきていますが、
これまでは主にテレビというフレームでの演出を考えれば事足りてきました。
 
しかし、ウェブ動画時代に突入した現在、画面サイズの想定が
パソコン、スマートフォンへと変わっていることを作り手も意識して
映像演出を考える必要があると思っています。
 
作成する動画を最終的にどのような形態で提供するかにもよりますが、
ウェブ動画が主に視聴されるパソコンは、そもそも画面サイズが一定ではありませんし、
ディスプレイのサイズだけでなく、ウィンドウのサイズすらもユーザーの操作で
変化してしまいます。
 
ウェブ動画自体、小さなサイズで再生されることもあれば、
フルスクリーンで再生されることもあり、どんな環境においても
映像を見やすくするためには、それを意識した演出が必要となります。

さらには最近、スマートフォン利用者の数がすさまじい勢いで増えてきて、
スマートフォンの画面でも動画が視聴される機会が多くなってきています。

ウェブ動画、ことスマートフォン向けの動画を作成する上で注意すべきは
被写体をどのくらいのサイズで映すかということです。

いくらサイズが変えられるとはいえ、
多くのユーザーは標準サイズで動画を視聴することになりますから
もっとも多く見られるサイズで、見やすく視聴できるものを提供すべきです。

当然、小さな画面では細部までみることができませんので
ウェブ動画向けの動画を作成する場合は、なるべく被写体や文字が大きく映るよう、
考えた方がよいでしょう。
テレビなどの常識からすると「大きすぎるのでは?」くらいで
ちょうど良いサイズになるのです。

同じ理由で、被写体の数や文字数にも注意が必要です。
画面が小さければ小さいほど、複雑な内容を理解させるのは難しくなりますので、
商品を数多く写したり、細かい文字でメッセージしたりでは
視聴者の理解がついていかず、逆に視聴者の興味を失わせる原因にもなりかねません。

ついつい欲張っていろいろな内容を一画面に詰め込みたくなりますが、
その際にはカットを割って数画面で表現するよう気をつけて下さい。

まず複雑な展開を減らすのが効果的だということを意識することが
基本だと覚えておいてください。