以前、外資系の広告会社で働いていた時にこんなことがありました

同じ会社のマーケティングの同僚とCMの企画のプレゼンをしに
あるクライアントさんのオフィスを訪ねた時のことです。
 
その時のプレゼンは、CM企画のプレゼンの前に、マーケティング
の同僚が、市場分析や顧客の傾向などのデータをきれいに作ったパ
ワーポイントを使って説明するというスタイルをとりました。
 
彼の説明パートが半分ほど進んだところでクライアントさんからイ
ライラした口調で「そんな調査はうちでもやって、数字も全部分か
ってるから早くCMの企画見せてよ!」と言われてしまったのです

 
そう言われた彼は、しどろもどろで自分のパートを締めくくり
すぐにCMのプレゼンに切り替えたのですが、何となく気まずい雰
囲気を引きずってプレゼン自体、納得のいかないものなったのです

...
退屈なプレゼンとなるか、魅力的なプレゼントなるかを判断する材
料として、そのプレゼンで話す内容が、誰でも知っている情報か、
ネットを検索すれば得られる情報かという基準があります。

たくさんの知見を持っていることはビジネスの現場において決して
マイナスにはなりませんが知識を持っている事でよしとされ、イン
テリともてはやされた時代はインターネットの普及によってなくな
りました。
 
現在では、ただ知識を沢山持っているというだけではまったく評価
されない時代になりました。
大概のデータや情報は、別に人に聞かずとも、インターネットで検
索する方が早く正確に得られるようになったからです。
 
それに変わって、今、価値を持つのは「その人独自の考え方」。
あなた自身がどう考えるか、これを伝えないプレゼンテーションは
聞いている人にとって、わかりきったことを延々と聞かされるとて
も退屈なものになる可能性が高いのです。
 
人間は自分の知らないことを聞くと感動し、知ってることだと退屈
してしまう生き物なのです。

あなたのプレゼンを聞く人たちは、あなたしか提供できない価値や
思考を求めている。
そのことを忘れないでください。

どんなに大量の知識やデータよりも、そこから何か導き出すかとい
う事がプレゼンテーションにおいては何よりも大切なのです。