苦手意識を持つ生徒が多い複素数平面
複素数平面は、数学IIIで習う分野。高校3年生の内容。
文部科学省が定めたカリキュラムでは、高校1年生で数学IAを、高校2年生で数学IIBを、高校3年生で数学IIIを学ぶことになっている。
生徒や親御さんの中には数学IAIIBに比べて、数学IIIは難しいというイメージを持っている方がとても多い。人は勉強というものはだんだん難しくなってくるという思い込みがある。
複素数平面を『難しい』と思わせる要因は?
生徒たちが「複素数平面が難しい」と思う原因はいろいろある。
難しいから諦めてしまう生徒もいるが、難しくても真剣に習得しようとしている生徒たちに聞いた、「複素数平面を難しくしている要因」は次である。
- ベクトルのように考える。
- 図形と方程式の知識がいる。
- 点の移動の概念が入ってくる。(現行では習っていない行列の分野)
- 今まで習って来た演算方法とは少し異なる。
これらのことをもう少し詳しく書いていこう。
1:ベクトルのように考える。
そもそも「ベクトル」とは数学Bで学ぶ単元です。
ベクトル自体も特殊な演算が出てくるので、苦手な生徒が多い。複素数平面を理解する上で、ベクトルはどうしても抑えておきたいところ。
特に矢印(図示したベクトル)の和(足し算)や差(引き算)は確実に抑えておきたいところ。
2:図形と方程式の知識がいる。
「図形と方程式」という単元は数学IIで学ぶところです。
日本の教育システムは大雑把に書けば、中学生の時は代数と幾何。つまり計算方法と図形の性質を学びます。
高校の時は代数と解析。中でも特に解析が中心。解析とは関数のこと。2次関数や3次関数、指数関数、対数関数、三角関数など。
高校で習う代数は、おもに関数の性質を知るための計算。主に微積分が重要になって来ます。
高校では、図形を十分に学ぶカリキュラムではないことが、生徒への苦手意識の原因となっている。
3:点の移動の概念が入ってくる。(現行では習っていない行列の分野)
「点の移動の概念」とは、ある点が別の点に移るというもので、これを数学的記述したもの。
これの原型は「行列と写像」という分野だが、現行の高校のカリキュラムでは習わない。
そのために、全生徒にとっては初めての分野となる。
ほとんどの人はそうなのだが、全く新しい分野に入っていくことに「恐怖や恐れ」を持っている。
できたら入って行きたくないと思っている人が多い。
中には勇敢に飛び込んでいく人もいる。
4:今まで習って来た演算方法とは少し異なる。
小学生以来、「算数や数学=計算」というイメージを持っている人は非常に多いと思う。
小学生の時は、四則計算。中学生は四則計算を使って図形や関数への応用。
高校生になると新たな演算を習う。
ベクトルの内積、指数法則や対数法則、三角関数の加法公式(加法定理)、微分、積分、合同式など
やはり、ここでも新しいものに対する苦手意識の影響が大きい。
これらを克服するためのポイント
そもそも、勉強のできないとされている生徒たちのほとんどはメンタル面が原因。
先生に怒られたとか、親に褒めてもらえなかったとか、学校や塾で恥を描いたなど、生徒一人ひとりに、数学から離れていく原因がある。
それを埋めるために学校の授業や塾、予備校の授業、家庭教師などをいくら変えても、先生を変えてもあまり効果はない。
こういったサービスは小手先の対処法にしか過ぎない。
上であげた4つの主な原因は、その場その場で、その時だけ良ければいいという「対処法的」な勉強の方法が原因。
人からの借り物ではなく、自分に合った学習方法をきちっと確立していくしかない。自分の理解の方法、自分の数学を作っていくことが一番の近道。
もし、数学の学習で先生は必要ならば、こう言ったことを考慮してくれる先生を選ぶべきである。生徒の将来のことを見据えた上で、数学の指導をしてくれる先生を選ぶべきである。