今回は’平面ベクトル。

 

ベクトルは得意な生徒と不得意な生徒に別れる分野。

 

どの分野でも言えることですが、新しい概念が導入された時、演算・性質・幾何的性質の順で学んでいく。

 

 

 

演算上の特徴としては和と差は、ベクトルの和、ベクトルの差としてあるが、積(掛け算)に対応するものが内積と呼ばれるものであり、商(割り算)に対応するのもは、大学受験の範囲では存在しない。

 

 

一番重要なのは内積

 

 

 

 

内積のことをわかっていない指導者があまりにも多い。そこそこ有名な先生や人気講師にも質問されたことがるので、何人にも教えたことがある。

 

 

幾何的に目に見えるわけでもなく、しかし数学の幾何学の根幹に関わるものなので客観的な理解は難しい。

 

 

時々、矢印の図を書いて、同じ向きの矢印の大きさの掛け算というわけがわからないことを言っている講師がいるがそれが一体何なの?(数学的には全く意味がない。2つの長さが垂直の関係になっているのなら面積という幾何的な意味、幾何的な量になるのだが。)

 

 

そんな説明もどきのことを聞いて、「わかりました」と答えている生徒も多々いる。

 

 

こう言ったごまかしの勉強をしている人間は後々苦労するし、二度手間、三度手間の勉強をすることになったり、数学上の論理的に矛盾が生じたりして、最優的に数学が出来なくなる。

 

 

高校の範囲では、とりあえず内積は機械的な計算という認識がいいと思う。

 

 

 

 

大学で数学する人にとって。

 

後々数学を学ぶ人(数学科や物理学科、工学部などに進学する人)にとっては、高校の教科書はよくない。

内積の定義を、大きさ・大きさ・cosθで習うと思うが、これは定義と同値であって、本来の定義ではない。

本来の定義は、2つのベクトルの成分同士の積

 

 

大学受験や一般人はユークリッド幾何しか習わないので、高校の教科書どうりでもいいが、実は幾何には沢山あって、その中でもメジャーな幾何、特に2次元の幾何は3種類ある。

 

 

ユークリッド幾何と球面幾何、双曲幾何の3つ。このうちユークリッド幾何と双曲幾何の2つをメインで学習することになる。

 

 

これらの幾何の違いは、この幾何をする場所(座標平面や座標空間)に幾何構造(ざっくりといえば内積の構造)の入れ方の違いである。

 

 

その際、内積を大きさ・大きさ・cosθ入れると広がりがなくなるので、内積の定義としては(数学上)よろしくない。そのため本来内積の定義は、2つのベクトルの成分同士の積で定義する方が良いとされている。

 

 

実際に2つのベクトルの成分同士の積で出てきた結果を、上手に計算していくと、大きさ・大きさ・cosθが得られる。

 

 

実は内積が無かったら、長さや角度が測れない。小学校や中学校では長さを測ったり、角度を出したり、面積を求めたりしているが、知らず知らずのうちに内積を使っているのである。

 

 

ちょっと長くなったので、平面ベクトルの続きは、また次回。