場合の数・確率。この単元も苦手な生徒が非常に多い。

 

実は数学者でさえ、時々間違えることがある。

 

数学の中では、ある意味で異質の分野なのかもしれない。

 

 

場合の数」について。

「場合の数」は数学の中では数え上げ数学と呼ばれている分野に入る。

 

事象がいく通りあるのかを数えることが目的であるが、高校で習う基本的な数え方は次の3つ。

①:全事象を書き出して何通りあるか。

②:順列(順序を意識して数える。abとbaが異なるとして数える数え方)

③:組合せ(順序を気にしない数え方。abとbaが同じものとして数える数え方)

 

 

確率」について。

高校の確率のほとんど(実質全般)は、離散確率と呼ばれている。

考えようとしている(考察対象の)事象が全体の中でどれだけの割合を占めているかを計算する。

 

特に高校で習う確率は、確率を計算する対象となる事象が順序列(1、2、3、・・・)に対応しているから、数列・漸化式との結びつきも強い。

 

ちなみに、連続的な確率は関数になる。ほとんどの高校では指導しないが、正規分布などはそれに当たる。

 

 

生徒がよく間違えるところ。

生徒から、事象を数えるときに「これは区別するのですか?区別しないのですか?」という質問を必ず受ける。
 
これは大前提なのだが、全ての事象は区別する
 
そこで、作問者が「区別して数えなさい」という意図で問題を作っているのか、「区別せずに数えなさい」という意図で問題を作っているかを、問題文中から読み取らなくてはならない。
 
これが原則である。
 
 
 

ところが、現実は。

確率は数学の中でも異質な存在で、数学者でもよく間違える。確率を専門としている人でない限り言葉の使い方をよく間違える。
 
確率はそれだけ、言葉の学問であると言える。
 
数学、特に確率の分野での言葉の使い方の訓練を受けたことのない人が作った問題は、間違っているものが多い。市販の参考書や問題集もある意味で悲惨です。実は大学の入試問題も突っ込みどころ満載です(☺️面倒臭いので放ってますが。)
 
恐らく、教えている人がほぼほぼ全員勘違いをしている。

 

これは、私が大学生の時に塾のアルバイト先で、確率を専攻している先生に指摘されたことがいい経験になった。

 

 

 

生徒からの鋭い質問。

「赤玉3個と白玉2個の並べ方は何通りあるか。という問題の時は赤玉どうしや白玉どうしを区別しないのに、男子3人と女子2人の並べ方の時は男子どうしを区別し、女子どうし何故区別するのか?」
 
 
あえて答えを出さずに、以下に4つの問題を出す。皆さんはどう感じますか?
 
①:赤玉3個と白玉2個の並べ方は何通りあるか。
②:1、2、3と番号のついた赤玉3個と1、2と番号のついた白玉2個の並べ方は何通りあるか。
 
③:男子3人と女子2人の並べ方は何通りあるか。
④:a君、b君、c君の男子3人と、dさん、eさんの女子2人の並べ方は何通りあるか。
 
 
表現の違いから、作問者の意図がわかると思います。
私がこの生徒にどう答えたかがわかると思います。
 
きちっとした数学教育を受けず、数学の言葉の訓練をしてこなかった人が、ノリだけで子供たちに数学を教えると、どうなるかはおわかりですよね。

 

 

 

 

 

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