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ホームページを設計する上で、まず始めにすべきことは、目標数値の設定です。
目標数値は、アクセス数でもコンバージョン数でもなく、成約数で設定します。販売ビジネスであれば購入件数、請負ビジネスであれば受注件数、会員型ビジネスであれば申込み件数がこれにあたります。
ここでは、月30件の受注が目標である場合を例にとって考えてみましょう。

次に、その制約数を獲得するために必要なコンバージョン数を割り出します。
コンバージョンとは、訪問者にホームページを通じて起こしてもらうべきアクションのことです。資料請求、見積依頼、来店予約など、業種業態によって様々ですが、ここでは仮に見積依頼としましょう。
見積依頼をした見込み客のうち受注に至る割合が60%だとすれば、月30件の受注を得るためには、月50件の見積依頼が必要であるとわかります。
コンバージョンからの受注率を正確に把握している企業は少ないかもしれません。ここでは暫定的な数値で構いませんので、営業担当者にヒアリングするなどして、可能な限り現実的な数値を入れておきましょう。
必要なコンバージョン数がわかったら、次はそのコンバージョン数を獲得するために必要な訪問者数(セッション数)を求めます。ホームページを訪れた人がコンバージョンに至る割合、すなわちコンバージョン率は、1%程度が合格ラインです。現状が1%に満たない場合でも、それを引き上げるのが本書の大きな目的の1つですから、1%として計算してください(現状のコンバージョン率が1%を超えている場合は、もっと高い数値に設定しても構いません)。
これにより、月50件の見積依頼を得るためには、月5000件のアクセスが必要であることがわかります。
最後に、ホームページがアプローチの対象とすべき検索者の数を算出しておきましょう。
通常、ホームページの訪問者の多くは、検索エンジンを通じてホームページを訪れます。Googleでは月に○○回の検索が行われていると言われていますが、あなたのホームページを訪れる可能性があるのは、このうち特定のキーワード(通常、数百~数千種類)で検索した人だけです。
しかし、それらのキーワードが合計月1000回しか検索されていないとしたら、月5000人をホームページに呼び込むのは不可能です。現実的には、せいぜい月50人程度でしょう。
事前にアプローチの対象となるキーワードの合計検索数の目星をつけておくことで、ホームページを作ったけれども必要な訪問者数を確保し得ない、といった事態を回避できます。
キーワードにもよりますが、検索者の誘導率は、5%に設定しておきましょう。
つまり、月5000件のアクセスを得るためには、合計月10万回検索されているキーワードにアプローチすることが必要です。

これで、目標となる「パイプライン」が完成しました。
この図が意味していることは、
①合計月10万回検索されているキーワードの検索者をターゲットとして、
②誘導率を5%に引き上げ、
③コンバージョン率1%を達成し、
④成約率60%を維持すれば、
月30件の成約する、ということです。

ずいぶん具体的になったと思いませんか?
①②③を満たすホームページを作ることが、ホームページ設計者の仕事です。


ホームページの制作は、次のようなプロセスを踏むことが理想的です。
1.戦略設計
2.サイト設計
3.デザイン
4.ライティング
5.コーディング

ホームページがその目的を達するためには、何よりも戦略設計、次いでサイト設計が重要な位置を占めまています。
しかし、世の中の多くの制作会社は、この上流工程をすっ飛ばして、サイト設計、ひどい場合にはデザインから作業を開始します。
ホームページのデザイン図案だけを見せて、「ホームページをこのようにリニューアルすれば、売上が20%向上するでしょう」と言われても、何の説得力もありませんよね。
あるいは、そのホームページを制作することによって得られるメリットについて、何ら具体的に言及することなく提案する制作会社も少なくないかもしれません。

一概に、彼らに問題があるとは言えません。
従来、ホームページ制作と言えば、デザイン以降の工程を差していました。
多くの制作者は、専門学校でデザインやコーディングを学び、あるいは本を読んだりネットで調べたりしながら技術を習得してきたことでしょう。
しかし、戦略設計・サイト設計に関しては、これまでノウハウが十分に確立されておらず、それどころかひとつの技術として、議論の対象になることも稀でした。
そのため、ホームページ制作の最も肝要な部分が、デザイナーの直感とセンスに委ねられていたのです。

本書では、戦略設計・サイト設計のみに焦点を当て、目標達成のためのプロセスを具体的に紹介します。
ホームページの制作・運用に携わる全ての方に、「設計」の重要さを再認識して頂く契機となることを願っております。