あなたのホームページ見て下さい。そのページをパッと開いて3秒以内に何の商品やサービスを扱っているか分かるか、考えてみてください。」
ユーザーは検索エンジンで検索をしてきた時も、ソーシャルメディアやメールに広告などから来た時も「このサイトには自分が求めるものはあるだろうか」ということを最初に探します。なぜなら、情報が溢れ同業者も溢れ、買い手は自分で自由に取捨選択をしようとすることができる時代だからです。
ユーザーは自分に合ったものを選ぶために、できるだけ速くそのサイトの「品定め」と「目的を達成できそうか」を探します
なので、ここで「そもそも何を扱っているのかわからない」ようなサイトは真っ先に「閉じられて」しまいます。本当はその先にどんなに買い手のニーズに合ったものがあったとしても、見た目で足切りされてしまうのです。
昔は、例えば野菜を買おうと思った時に行く店は1つかあるいは2〜3点に限られていました。日用品ではないもの、例えば贈り物などであれば、買う店は1つしかなかったかもしれません。
しかし今は違います、本当にユニークかつその店しかその商売をやっていないなんていう状況は、まずありません。似たような商売をどこかしらが行っており、チラシが巻かれ、移動手段は車があるので広がり、そしてネット上でどこにどんな店があるかすぐに調べることができるのです。
検索エンジンは、ローカル情報に関してはかなり力を入れて機能強化を行っています。GoogleならGoogleマップの情報、Google+ローカル(旧Googleプレイス)の情報を検索結果に出すことはもちろんそうです。しかしそれ以上に「ローカリゼーション」が強力になっているのです。
Googleはもはや、明示的に地名を入れて検索を行わなくとも、その端末のIPアドレスなどから検索されている地域をある程度絞り込めるようになっています。
スマートフォンの回線やモバイルルータを使って外で接続している場合はなおさらです。Googleは「Google Location Service」という、Wi-Fiの基地局などからの通信状況から現在地を判断する仕組みを持っています。それをONにしていれば、Googleはあなたの位置をかなり正確に把握できます。
こんな状況ですので、自分がほしい物を取り扱っているサービスのリストは一瞬にして手に入ります。また、全国対応を行っている店があれば、それも比較対象になるでしょう。
今はこのような、沢山の選択肢に囲まれて、買い手は自分たちがほしい物を見つけて購買の意思決定を迫られている、んですね。これは一見良いことのように思えますが、辛いことかもしれません。自分がほしい物をどのように選べばいいのかもわからないのに、自分に合った1つを選び出せと言われても、頭を抱えてしまうのではないでしょうか?
このような状況では、買い手はとにかくたくさんの情報にひとまず触れようとします。目的に合致しそうなキーワードで検索を行い、その検索結果に出てきたサイトの中からめぼしいものをどんどん開いていく──
ネットで物を探す際の典型的な行動です。思い出してみてください、みなさんがネットを使う時も同じような行動を取っていないでしょうか。
この時、大事なことが有ります。
あまりにもたくさんの情報を「まずは見て置かなければならない」と思っている買い手は、1つ1つのWebサイトをそこまでじっくり見ないということです。
なぜなら、大変だからです、時間がかかるからです、本音は「ダレか教えてくれればいいのに」と思っているからです。しかし、これだけの選択肢が与えられていると、人は「自分で選んだ」という納得感も求めます。
本当にそれが自分にとって最適なのか、それも大事ですが、それ以上に「これは自分で情報を集めて、自分で比較検討して、コレだと思って見つけたものだ、きっと私にとって良い物に違いない」という納得感、これを実は無意識に求めています。
なので、この段階で、みなさんはWebサイトにおいて以下のことをキープしておかなければなりません。
買い手は、自分が欲しいと思っているものが、このサイトで取り扱っていると一瞬でわかるデザイン(主にヘッダー)
ポストは赤く、医者は白衣を着ているように、買い手がその商品やサービスを取り扱っている人に対して無意識に持っている色やテイストから外れないサイトデザイン
そしてその上で大事なのは「判断基準を持っていない、あるいは曖昧な人に対して、判断基準を持たせてあげるコンテンツ」の存在です。
判断基準提案コンテンツを読んでもらって、その判断基準に乗ってもらえたら、買い手は購買に大きく進みます。
この辺りでよくある失敗例は
違いを強調しているが、その違いを違いだと分からせる判断基準提示コンテンツを先に見せていない、あるいはそもそも無い
デザインが他と異ならせることを優先していて、一般的な買い手が想像する業種のイメージとかけ離れている
判断基準を提示しているが、根拠もなく上から目線で受け入れる気にならないものである
などです。そもそもこのような消費者心理を理解していないか、分かっているけれども対応に失敗しているパターンですね。
是非一度、自社サイトをそういった観点で見てもらって下さい。改善できる点が有ります。特に、検索エンジンからのクリック率が、検索順位が高い割に低い人、ランディングページの直帰率が高い方は、要注意です。