27年9ヶ月・・・ | 住所不定が、野遊びを。

住所不定が、野遊びを。

2016年に念願のキャンピングカーを購入し、いよいよ住所不定を目指す事に・・・

うちの会社は、親父の意向でかなり前から身障者を雇用している

昨日、27年9ヶ月勤めてもらっていたその内の一人に、退職してもらった
そいつは、俗に言う知恵遅れで、重度障害者・・・
会話は、まったく出来ず、何か言っても鸚鵡返しをするのみ

うちの会社に勤め始めた頃、横浜の市営地下鉄はなく、当時から京浜急行と東横線で通勤していたので、後に地下鉄が通っても、そのルートでしか通えないと言った状況・・・

で、困ったのが、三人暮らしのそいつの両親が痴呆になってしまい、なんともし難い状況に陥ってしまった事

今年の大震災の時も、全く息子の事を心配する訳でもなく、電車が止まってしまって帰る事が出来ない状況にあっても、会社に電話ひとつ来る事もない状態で、信号も点いていない状況の中、私が車で送り届けたと言う状況
しかし他に3人いる身障者の家族からは、あの電話が繋がり難い状況の中でも、電話がかかってきて、どう対処するか話し合いながら対応・・・

そんなこんなで、そいつの地元の区役所等に何とかするよう働きかけてきたんだけど、そこはお役所仕事!
一向にそいつの環境が改善される兆しもなく、秋の大型台風で電車が止まった時も、結局大震災の時と何等変わらず・・・

会社としても、非常事態にそいつ一人に関わっている訳にもいかないし、そいつ自身の安全も保証出来ないので、解雇予告を出し、昨日退職と言う事に・・・
解雇予告を出したら、やっと役所も動く出して、グループホームに入れるとか、と言う話が進み始め、1月には入所出来る様になったのかな

今まで41年商売をしてきて、様々な人間が退職して行ったけど、これほど惜しまれて退職していった奴は、いないんじゃないかな・・・
5時に退社する時、ほとんどの社員が集まって、見送っていたと言う感じ
本人は、全く悪意もなく、純真無垢、性格も穏やかで、皆から愛されていたんだよね

きっと今朝も、会社に来ていると言うのが大半の意見だったんだけど、来ていなくて少し寂しい感じ(^^;
何もわかっていないような素振りだったけど、実は全てをわかっていて、我々がバカにされていたんじゃないかなと思うくらい・・・

そいつは、私より1ヶ月早く当社に入社した、私の先輩でした・・・