書道でみる小学生の創造性 | 森二朗|クリエイティブ入門

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下記の絵は当方がお正月にみた小学生の習字展覧会のイメージ画です。

左が金賞、右は落選の作品でした。
金賞は正確な文字の大きさ、バランス、字間の余白などがしっかりしています。きっと書道を習っている子の作品だと思います。たいする右の子は文字は乱雑で文字間の余白もほぼありません。これは習字を習っていない子の作品だと思います。



ですが、当方が「いいな」と思ったのは右の作品でした。
当方は書道については素人ですが、クリエイティブな視点でみれば右の作品には文字に躍動感と元気さがあり、なによりも書道の知識がないと思われる小学生が「用紙に文字をどう表現するか?」を考えた形跡があったこと。150点近くが展示されていた中でこの書き方をしている子はこの子だけでした。きっと習字の世界では「考えたこと」は評価対象にはならないと思います。しかし、考えることってマネをすることよりも高度な技術。


「どうなの?」入選と落選と言う評価は。


金賞の子はまわりに自慢できますげど、落選の子は自分の書いたものに自信をなくす。
次回、右の子が落選したくないと思えば金賞の子のマネをしなくてはいけなくなる。すると、当方の感じた躍動感、元気さ、個性は減退していくことになります。


結局「何が書きたいの?」となりますが、2つの書道の好みは他人が見れば十人十色なのです。これに順位付けしてしまっては右の子がうかばれません。せっかく、頭を使って考えた子供の作品に、ここに気がつかない大人が


「子供のCreativityを減退させてどうする?」ってことです。


書道も教育の一つでしたら見本のコピーする能力を高めるのではなく、用紙とキーワードと言うテーマから「考えること→創造性」を養うことのほうが大事だと思うのです。
どちらが子供にとって大事な教育なのだろうか?