「サイトを作るならSEOが大切」というのはもはや常識で、今さらそれに異を唱える人はいないでしょう。
でも、私はSEO対策の効果が薄いサイトでは思い切ってSEOのことを忘れてしまってもいい、くらいに思っています。
例えば通販サイトなら、取り扱い商品が検索された際の順位によって売上自体が大きく変わってくるでしょう。こういうケースは労力を惜しまず対策するべきです。
一方で、イベントなど対面的な場で集客した人たちに、その後も継続して情報発信をしていく手段としてサイトを利用する場合、手間ヒマかけてSEO対策をしても苦労に見合う効果は見込めません。
また、サイトの完成度が低いのに、SEOにばかり気を取られるのもNGです。
私がサイト改善を依頼されていた某社の社長さんは、毎日Googleでの順位をチェックしては一喜一憂していました。SEOに詳しい人が特定のキーワードで対策をしてくれたそうです。
ところがある日、私がその会社に行くと、社長が血相を変えて飛んできました。
「大変なんだ!順位が急に20位も落ちてしまった。すぐに対策して!」
と、株式相場が大暴落したかのような狼狽ぶり。
ちょっと意地悪かな?とは思いましたが、私は社長にこういいました。
「落ち着いてください。これまでサイトから何件の問い合わせがありましたか?」
「え!?そ、それは…まだ1件もないけど…」と社長。
検索エンジンから毎日たくさんの人が訪れてくれて、そこから問い合わせもけっこうあるなら順位の著しい低下は大問題です。でも、順位が上位である間も、PVは毎日さほど変わらず、問い合わせもない状態であれば、早急に対策が必要なのは順位を元に戻すことではなく、キーワードに合ったサイト改善の方です。
SEOはあくまでも人を集めるための手段の一つにすぎません。また、人が集まれば自動的に成果も上がる、というものではありません。
SEOに限らず、ネット上のさまざまな手法は斬新で万能に見えてしまうかもしれませんが、しっかりとサイトの目的との相性を考えて導入したいものですね。
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