夏の眠れぬ夜といえば、

そう!

怪談…!

昨夜遅くまで『怪談グランプリ2010』を見ていたら、寝れなくなりました。

些細な物音が怖い…!

ってなわけでその隙にブログ更新しようと思って文章考えてたら、怖い体験話が頭に浮かびました。

よし!このネタだ!と思って打ち始めたら、何故か後頭部が痛くなって寒気がしてきたので、身の危険を感じ辞めました。
そういや、こういう話をすると、集まってくるっていいますよね。

で、今打ってます。


~唄種夢の怪談~
『さよなら、先輩』


私が高校1年生の時、中学の後輩が夏休みの登校日前日に亡くなりました。

彼は中学3年生で高校受験の真っ只中。
色々と心労がたたったのでしょう。
同じ部活で、そんなに親しい仲ではありませんでしたが、一個下の後輩の突然の不幸に、彼の家の前まで行き、出棺の時に黙祷を捧げました。同級生もたくさん来ていました。


彼を見送ったその日の出来事です。
眠っていた私は、夜中に突然目が覚めたんです。

すごーく体が重い、というか圧迫されているような息苦しさを感じ、『なんだろう…?』と体を起こそうとすると、体が動かないんです。
嘘!なんで!と頭でいくら動かそうとしてもぴくりとも動かないんです。
さすがに怖くなったので母親を呼ぶために声を出そうとしましたが、声も出ません。

内心、尋常じゃないほど焦りました。体中から汗が吹き出ていました。

すると突然、カタンッという音が部屋の入り口から聞こえて来たんです。
私は、助かった!母親だ!と思ったんですが、入ってきた様子はありません。

しばらく経ってから今度は耳鳴りがしました。

キーン…
ボソボソボソ…

高音の中に低音が聞こえます。でも、言葉にできません。

耳鳴りが遠くなると、体が自由になりました。

でもしばらくは動けませんでした。放心状態のまま天井を見上げていると、ふと悲しくなりました。

あんまり話しもろくにしたことなかったけど、突然亡くなった彼のことを思いだしたんです。

彼は、どんな気持ちで死んでいったんでしょうか。

私にはわかるわけがないんです。わからないから、余計に悲しいんです。

私は勝手に、彼が挨拶にきたのかなと思うことにしました。

後でわかったことですが、私と同じような現象を体験した子がいました。
その子は、中学生時代にとても仲の良かった子です。

私たちが金縛りにあったのは午前4時頃。
彼は丁寧にも、関わりのあった全員に挨拶回りに来てくれたのでしょうか…。


真相は闇の中ですが、毎年毎年この季節になると彼のことを思いだします。