黒板の白はいずれ消される


アートのような文字達は


長方形のプラスチックに保管された


あの光景を見たのはいつの頃か


今年で齢80


上空の更に上にある幻想の世界へと


共に還ることを誓った


妻は、いつも当たり前のように横にいる。


おじいさんは


手に持っていたハイボールを一気に飲み干し


芝刈りへ向かうこととした。


自前のアルファードに乗車し


少ししんどそうに鍵を回した。


「もう芝刈りに向かったのかい?」


空気に話しかけたおばあさん


「もう」


そう一言吐き、洗濯物をまとめた


アイフォンを手に取り


タクシーを呼びつける


「目黒川までお願いします。」


そう言い、タクシーは動き出した。


無事目的地につき、運転手は言った。


「ありがとうございます。560円です。」


そうして、クレジット カード10回払いで精算を終えたおばあさんは、


ファミリーマートへ向かった。


そこに、とても綺麗な桃がおばあさんを見つめていた。


その桃をクレジットカード1回払いで購入し


目黒川へ向かった。


おばあさんは桃をナイフで割る。


中からカリウムが出てきた。


「とても元気なこと。」


そう言い、アンモニア、血、髪の毛、その他諸々の


成分を魔法陣の上に置き、


人体を錬成させた。


すると35歳のインド人が現れた。


屈強なインド人を息子としてファミリーに迎えた。


しばらくおじいさん、おばあさん、インド人の3人で幸せな日々を暮らしていた。


そこに税務署局員がやってきた。


「こんにちわ。お宅に屈強なインド人が住んでるということを聞き、税金の追納の案内を持ってまいりました。」


そう言い、おばあさんは泣けなしの貯金から税金を支払った。


悲しみと資産計画に不安を感じているおばあさんを見て、インド人はこう言った


「あの税務署局員は、鬼です。私が退治をしましょう。」


そう言い、税務署へ向かった。


インド人は道中で


ナン、ルー、チャイ、ダンドリーチキンを仲間として加えた。


目的地に到着したインド人は大変なミスに気づいた。


税務署ではなく法務局に着いてしまっていたのだ。


しかし、インド人は


せっかく法務局に来た、ので会社を設立してみた。


株式会社 ドリームチャレンジャーという社名で


高円寺にシンプルなインドカレー屋を開いた。


仲間を商品として提供し、順調に営業をしていた。


ある日、彼は「インド風きびだんご」を発明した。


不思議なことにその「インド風きびだんご」を口にした顧客は


インド人のことを「神」と崇めるようになった。


きびだんごの不思議な力に驚いた。


そして、


彼は閃いた。


このきびだんごを世界中の人に食べさせれば


全世界の神になるのではないかと。


その後、必死に売却に勤しみ


信者の数は1万人に到達した。


また、株式会社から宗教法人へと


形態も変更させた。


お布施の金額も跳ね上がり、気づけば億万長者となった。



なかなか税務署から帰ってこないことに、おばぁさんは疑念を抱き、


インド人を探しに行った。


そこで見た風景は、洗脳により巨万の富を得たインド人の姿だった。


しかも、4mm浮いていた。


インド人を代々木公園に呼んだ。


「あなたが、本当の鬼だったのね。」


おばあさんはそう言い放ち、


地面に分解の魔法陣を描いた。


そうして、インド人はさまざまな成分へと分解された。


節税の闇。