背中合わせに座って、それぞれ好きなことをしていた。トランプタワーの崩れる音を聞きながら、わたしはただ呼吸だけをしていた。
背中はたしかに温かいのに、空気だけはどことなく冷たい。今日はへんてこりんな服を着ないでトランプタワーを作ってる。いい大人が、ふてくされた子どもみたいに座り込んで。
何度も何度も、タワーは崩れる。未完成のまま、何度も何度も。
うまくいかないな。
ぽつりと、そう呟いて。髪をかきあげていた。らしくない、そう言おうとした、はずだった。
一緒に作ろう。
きっとそんなの無理。そのはずなのに。らしくもなく、彼はうなずいたの。