というのは歯科での常識としてステロイド軟膏の塗布となっています。口内炎があると痛いので食事が摂れない、だからステロイドで疼痛を抑えるというのがセオリーとなっているのです。口内炎といっても様々なタイプがあります。先ずは内科や耳鼻科でもステロイド軟膏塗布。
傷は絶対消毒するな、という事。これは傷のジュクジュクした部分は細胞成長因子という治癒物質が出ている証。つまり怪我や火傷の創面を乾かすと、折角の治癒物質を阻害してしまいます。だから消毒はせずに創傷部にワセリンを塗布しラップを巻いて置くのです。その方が痛みが少なく治癒も早い。
口腔内にワセリンとラップは出来ません。がしかし口腔内というのは唾液が有り常に湿潤環境にあります。ですから口内炎には唾液で対応すれば自然治癒するのです。ところがステロイド軟膏を塗布してしまうと、折角の湿潤環境が無くなり口腔内が乾燥してしまいます。
ステロイド軟膏自体、局所に少量塗布するわけですから副作用を気にする必要なんてありません。しかし強力な鎮痛作用と引き換えに「抗炎症作用」の害を受けてしまいます。炎症という生体の防御反応に抗っているので、治癒遅延に繋がってしまう。その例の1つが塗布による口腔内の乾燥なのです。
舌が痛いので食べられない、という患者さんには「食べられない、というのは身体に正しい反応。だから痛みを抑えて食べるよりも絶食が良い」と説明してきました。本当にこの方が治りも早い。口内炎でも単純に疲労やストレスからきているものに対しては生活習慣の見直しで対応する事が大切だと感じています。
私も若いころは舌炎に悩まされていました。試験のストレスや実習の辛さから逃げたくなるとすぐに舌炎になり舌がピリピリ痛みました。卒業し歯科医になってからでも暴飲暴食するとすぐにアフタ性口内炎になっていたのです。
ところが糖質制限をしてからは口内炎になった事がありません。少々寝不足でも呑み過ぎても口内炎とは全く無縁。この事からも生活習慣の見直しが根本解決につながるという事が見えてきます。口内炎だけではなく、全身のすべての炎症症状と無縁になっている。私は糖質制限という食生活の計り知れない底力を垣間見る想いをしています。