消化管の超音波内視鏡検査を行う際に用いる精製水、誤ってホルマリンを使用したというニュースがありました。聞いているだけで恐ろしくなりました。あの刺激臭が強烈なホルマリンを消化管の粘膜に作用すると思うと背筋が凍る思いです。このような間違いが生じる医療現場が存在する事が信じられません
ホルマリンは意外と歯科の世界でも馴染みがあります。抜歯した歯牙を保存しておく時にホルマリンに漬けておきます。(この歯牙は歯学生とって重要で収集できないと実習ができません。家が開業歯科医でないと集めるのに非常に苦慮します)
又摘出や切除した組織(顎骨、口腔粘膜等)をホルマリン固定します。病理診断の切り出し時、ホルマリン液に漬けてある検体を使用。(切り出し行為は歯科医が行い、技師が標本を作製。そしてそれを顕微鏡で診るのが病理診断)
このようにホルマリンは組織の腐敗を防止するために不可欠なものです。がしかし診療室で取り扱う可能性が(医科では)普通にあるのでしょうか。少なくとも私が勤務した歯科診療室では直接扱う事はありませんでした。(歯牙を保存するホルマリン液も直接さわりません。ゴミの横に置いてあるようなものです)
ホルマリン誤用の報道を耳にして最初に思い出したことがあります。フッ化ナトリウム(虫歯予防として歯牙に塗布。=私は否定的)を間違って毒劇物であるフッ化水素酸を歯面に塗布、患児が死亡した事です。当時、私は中学生くらいでした。しかし歯学部の学生時代、何度もこの話題がでてきました故記憶に残っています
これはホルマリン問題と通じるものがあります。フッ化水素酸というものを見た事がありません。つまり歯科診療室に本来無い物なのです。ですから誤用そのものがありえないわけです。逆にそのような物を扱った故の事故だから長く覚えているのでしょう
誰も意図的にミスをするわけではありません。しかし患者当人はたまったものでは無いはずです。交通事故や火災に巻き込まれたようなもの、で済まされないわけです。ホルマリン事故の当事者の身体的苦痛は私たちの想像をはるかに超えているはずですから。