歯科疾患実態調査 | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

加齢と共に歯の本数が減り咀嚼力(そしゃくりょく。=噛むチカラ)が低下します。具体的には30代での1人平均歯数が28、4本なのに対して60代では21,9本、70代では16,5、そして80代では10,3本になるのです。(=8020運動=80歳で20本の歯を残そうという目標値からほど遠いわけです)


このデータは厚生労働省の歯科疾患実態調査からでているものです。一般的に歯の残存が多いほど長生きしやすい、咬合機能が回復すると認知症のリスクが下がるとさけれいます。噛む事で唾液の分泌が良くなります。脳の血流が良くなり神経細胞の働きも活発になるゆえだとも言われています




今回、このような一般論を書きたかったのではありません。残存歯が多くても咬合していない部位ばかりならメリットがありません。具体的には口腔内の左側上顎臼歯部が、右側では下顎臼歯部が欠損したような状態です。欠損歯は8本で残存歯20本。しかし上記のような残存歯牙ではメリットが少なくなります



歯が残っている数が多い事がよいのではなく、噛める状態にある事にメリットがあるわけです。歯科疾患実態調査における1人平均残存歯数の値に意味があるのか疑問です



老人病院歯科で高齢者の歯科診療をしていると疑問を感じることがあります。「歯が残っているゆえ、口腔内が不潔になっている」という事です。逆にセルフケアが不可能で介護者(家族でない)の簡易なケアしか出来ていない状態であっても、無歯顎(総入れ歯)のヒトで、常に入れ歯をいれてない(=これが重要)ヒトは驚くほど清潔なのです。そしてサラサラ唾液が常に分泌しています。



加齢とともに歯周病が進行し歯牙が抜けるという事も受け入れるべき現象なのかもしれません。無歯顎ゆえの清潔な口腔内では誤嚥性肺炎(=飲み込むチカラが弱くなり食べ物でムセて誤って気管に入る。この時に口腔内細菌が肺に進入して生じる)の危険が少なくなると考えています。極論でしょうか。