口腔病理学② | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

口腔病理診断でもっとも重要なのは口腔癌です。口腔粘膜病変が炎症なのか腫瘍なのか、腫瘍ならば良性か悪性=癌なのかを知るためには病理組織診断が不可欠です。



肉眼で白くカリフラワーのように凸凹した粘膜病変が典型的な口腔癌の肉眼所見です。しかし肉眼所見だけで癌の診断は出来ません。典型像でなく単純な口内炎のように見えても、組織をとると口腔癌だったという場合もあります。この場合、経過が判断基準のひとつです。月単位でどんどん悪くなり、痛みを伴わない場合には癌の事が多いのです



もっとも口腔癌でも随伴症状として炎症を伴い痛む場合も多いわけです。教科書的には年単位で悪くなるものは良性腫瘍、とありますが言い切る事は出来ません。あくまで参考なのです



しかし①に書いた歯根嚢胞と違い口腔粘膜病変の場合、組織をとって病理診断するのには相当な苦痛があります。極端な場合、全身麻酔で行い事があるくらいです。そこでスクリーニング検査として(最終診断ではない)細胞診を行う場合も多いです。これは病変部を擦って細胞をとりクラスⅠ~Ⅴで評価します.ⅣとⅤの場合には癌の疑いが濃厚にため病理組織診断を行います



癌と診断する場合も、どのようなタイプの癌かを知る事が重要になってきます。上皮内にとどまり、転移の心配が少ないものもあります。又母組織と似た組織の構成をしている高分化型なのか、悪性度が高い(転移再発しやすい)低分化型、未分化型なのかという診断は治療方針決定に不可欠なのです



口腔癌の診断は(口腔)病理の(歯科)医師なくてはできません。又術中にどの範囲まで郭清するかを決定する必要がありますから、口腔癌の手術を病理診断科の無い施設で行う事は難しいのです