【歯科の話・診療室より⑮】 | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

少し前に小、中学時代からの友人に相談を受けました。「歯医者で癌かもしれん、と言われ紹介状を渡された。」と。私は驚きました。疑いの時点で軽々しく「癌」という言葉を出す事はあまりありません。



もし私が初診歯科医ならば、「気になる病気が隠れている可能性もあるので、念のために検査を・・」とでも言っていたでしょう。実際に何人か口腔癌患者を診ましたが、疑いの時点で「癌」とは言いません。(精査を依頼してして癌でなかったケースもありましたから)



市内の基幹病院口腔外科宛でしたが、本人の希望で診療情報提供書を開封してみました。口蓋部に境界明瞭な小指頭大の腫瘤があります。正中よりやや右側ですが、肉眼で診る限り悪性の疑いは低そうです



しかし口蓋部の病変で考えられる唾液腺腫瘍の中には良、悪性の判断が(最終的に病理組織を診ても)難しい場合が多いです。中には良性腫瘍が経過ので一部悪性化しているような症例もあります。(珍しいですが)



それだけに慎重な対応が必要なのです。本人の不安そうな顔を見ていると、年配開業歯科医が軽々しく「癌」と口にした事に怒りを覚えました。ヒトとしての優しさに欠けます。



結局病院ではなく、検査中心にした施設を紹介しました。本人の希望です。結果はどうだったのか・・・。



炎症性病変でした。口腔ケアが不十分だと言われた。それが原因だ、との事でした。安心して笑いがこみ上げてきます。昔から、あまり清潔ではない奴だったなあ・・・心の中でおもいました。口には出していません