職場に医者嫌い病院嫌いと(私が勝手に)思っていた20代男性Aが居ます。病院好き、という方が変わっているのですから別に違和感はありませんでした。しかしほぼ毎日顔を合わすうちに明らかに普通の医者嫌いと異なる事に気づいたのです
男性Aは健康、医療について相当関心があり、ネットを使って知識を多く吸収しているのです。(おそらく仕事中も。男性Aの仕事は事務です。)そしてそれをヒトに話したくて仕方ない、という感じなのです。
間違った事を多く言いませんが、観点は相当ずれている場合があります。専門用語の読み方が違ったり、発音が変だったりもします。私達は別に指摘もせずに黙って聞き流しています。
医学等の教育を受けていないわけですから、不自然なのは当然です。しかし自分が恥をかくから止めた方が良いのになあ・・と苦々しくみています。自尊心を傷つけてはいけないので、直接言うのは躊躇してしまいます
男性Aは最近自身の身体を自分で診断してしまいます。ネットには何でも出ています。検索すると確かに自己診断できます。(正しいかどうかは別問題ですが。)治療法まででているのです。さらに処方薬が容易に個人輸入という形で購入できるようです。
端的に言うと、ネットがあれば医者なんか要らない?という事になってしまいそうです。現に男性Aはそういうスタンスで自らの「体調不良」と向かい合っています。これは大問題です。
ネットでは処方薬の添付文書まで出ています。つまり服用方法までわかるのです。がしかし、薬というのは単純なものではありません。たとえば抗菌剤では選択からして難しいものです。添付文書どおりに飲むよりも効率よく作用する内服の方法もあります。こんな事は専門家の経験等に頼るしかありません。まさに投薬には「さじかげん」が重要なのです。
ネット知識で正しい診断や治療方法選択をするのは絶対に無理だと言い切れます。時に危険を伴います。病院嫌いを否定しません。(私も嫌いです)そして医療は受けるも拒否するも個人の自由です。しかしネットでわかったようになるのは思わぬ落とし穴に落ちる事につながります。
もし、病気を知りたい時や病院に行く前のおおまかに状況を把握したい場合、ネットではなく医学書を紐解く方がマシです。大型書店の医学書コーナーで立ち読みすればよいのです。(町の図書館には医学専門書がありません)。家庭の医学はだめです。ネットと同じですから。
それで理解できなければ首を突っ込まない事が賢明でしょう。(私のところでも時々ありました。ネットで勝手に診断して薬剤まで指定してくる患者さんが)
男性Aが歯性感染症について得意げに私に話してきたこともありました。ネットは正しく使いましょうと言いたかったです。相手のためには指摘する事が正しい事をわかっているのですが・・・。