糖質制限と親不知(おやしらず) | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

親不知(おやしらず)は抜くべきか否か。虫歯や慢性的に親不知周囲歯肉が腫れる場合、歯茎に埋まっていて横にはえたような場合には歯科医は抜歯をすすめます。上顎の親不知の場合は(歯茎に埋まっている場合を除いて)比較的簡単なのですが下顎ではやっかいです。


患者としては出来れば手を出されたくないのが親不知の抜歯です。歯茎に埋まった親不知では「抜歯」というよりも「手術」です。歯茎を切開して親不知を分割して取り出す事もあります。ピンセットで欠片を合わせながら取りますが、欠片が足らないと大騒ぎです。1時間以上かかる事もあります。このような場合は顔が相当腫れます。術者にもよりますが痛みは相当な事が多いのです。ですから局所麻酔の様式を強力なものとします。



学生時代の臨床実習(ポリクリ)で相互実習で下顎親不知を抜歯した事が原因で細菌感染をおこし(それが腎臓に影響し)腎炎になったヒトがいました。下顎の親不知は解剖学的な問題から全身への影響が生じる場合もあるわけです。ですから他部位の抜歯とは術者の心構えにも違ったものである必要があるのです。


このように通常でも危険を伴うわけですから、基礎疾患があったり高齢者の場合では個人医院での対応は避けた方が無難なのです。




私の親不知に対する考え方としては、上顎で普通にはえている場合は他部位と同様に対応しても問題ないとしています。私自身も高齢者であっても何例か対応しました。しかし下顎では安易に抜かない方が無難です。虫歯があったり親不知周囲歯肉が常に腫れるのであれば抜歯はやむを得ませんが大学病院等の全身管理ができる施設で行う方が無難です



そして何より親不知周囲歯肉が腫れる事に対しては、根本療法である抜歯よりも徹底した歯肉マッサージを選択し腫れない身体をつくる事が大切なのです。そこに糖質制限をすると万全です。そして症状が出なくなれば放置(放置では言葉が悪いので「経過観察」)してもよいのです。虫歯の場合でも進行させないためにも糖質制限は重要です。(過去の記事にも書きました)。


親不知周囲歯肉が腫れるのも咽頭炎や麦粒腫(めばちこ)等と同様に抵抗力が低下して生じるのです。ですから予防目的で糖質制限で対応できるのです。急性症状が生じないようにするための糖質制限なのです。



私自身20年前のクリスマスイブに下顎親不知2本を抜歯しました。痛みと腫れで何も食べられず微熱の中でクリスマスソングを聴いた記憶があります。繰り返しますが親不知の抜歯は慎重にすることが大切だと考えます