【歯科の話・診療室より②顎関節症】 | we85のブログ

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糖質制限11年目となる歯科医です。歯科界の歪み、私自身の日々などを書いています。ベールに包まれた歯科医師国家試験の現状についても追求。

「20代男性。約半年前より開口時のクリック音(口をあけると顎に雑音が鳴る)と左側顎関節部の疼痛が持続していた。1週間前より開口障害が出現したため大学病院歯科口腔外科外来を受診した。」




これは私の学生時代の出来事です。食事時に痛みが出るので食事が苦痛でした。本来大きく口をあけると5~6㌢開くのが正常なのですが、私の場合3㌢以下しか入りませんでした。


口を開けると顎関節の音がギコギコ鳴り、痛みが出るのです。歯痛や頭痛が鈍い痛みなのに対して、顎関節の痛みは鋭い痛みでした。食事をしたりあくびをしたりすると顎が外れるのではないか、ととても不安だった事を覚えています。


処置としては顎関節部に鎮痛剤軟膏を塗布するか、鎮痛剤を内服、酷くなると顎関節部に直接注射する場合もあります。そして噛み合わせを保護する目的で装置を装着するのも一般的です。


私は症状があまりに酷いので教授診となりました。(私はクドクドと訴えたため、若い先生が教授と交代したのでしょう)画像検査を終えた後、世間話ばかりで処置がなかなか始まりません。当時私は歯学部4年生でしたから、何となく流れはわかっていました。顎関節症にはタイプがあって、画像診断で判別するのです。私の場合、装置を装着する事で症状が軽減されるのでは?と思いました。勿論、学生の分際で口が裂けても言えませんが。


しかし初診、次回ともに、その気配はありません。そこで私は症状をさらに強く訴えました。ようやく装置作成のオーダーが出されました。相変わらず痛みと雑音は継続しています。開口障害もあったため、食事に困っていたのです。



土曜の夜に親しいヒトらと飲みに行きました。朝まで飲んだのです。すると二日酔いで目覚めた日曜朝、何かが違うのです。顎関節の痛みが全くなくなり、大きく口を開けても雑音がなりません。第一、半年ぶりに大きく口があくのです。その時の喜びは今でも覚えています。身体の不安から開放される事に充実感。会うヒト会うヒトに治った喜びを叫びたい衝動に駆られます。



診察日、「何をしたの?装置が出来たのにどういう事?」と激しく問い詰められました。まさか朝まで飲んで酔ったから治った、とは言えません。非常に困りました。


顎関節症も炎症のひとつです。麦粒腫(ものもらい)、咽頭炎、虫垂炎(いわゆる盲腸)等と病態は同じです。原因は違うでしょうが。ストレス回避は炎症の治癒促進する事を確信した瞬間でもありました。


私の顎関節症はストレスが原因で、二日酔いになるくらい飲んで気分転換した事で免疫力が急激に高まり治癒につながった、という結論です。卒業した今なら、当時の担当教授に素直に話せますが、残念ながら60歳代の若さで昨年亡くなられました。合掌