たった一人、その人だけを愛す。
みんな何故、そんなにも容易く、そんなにも自然に、できるのですか。
私にとっては困難極まりなくて、
もう挑むことさえ諦めたというのに。
そうするしか、無かったというのに。
恋人が出来る度に
「今度こそは」と誓う。
でもその誓いは本当に薄っぺらなもので
三日坊主にも及ばない。
恋人が出来たその夜に、
もう他の異性の腕の中にいる。
そんなの日常茶飯事で
罪悪感もどこかに置いてきてしまった。
そこに残っているものは
心地良い背徳感、物理的な温もり。
後々になって恋人の顔に浮かぶ
傷付いた表情を眺めるのもまた悦。
それでも少しばかりの良心はあるらしく
恋人と別れる度に
「二度と恋人なんて」と誓う。
でもその誓いは本当に薄っぺらなもので
気付けばまた懇意な関係が出来上がる。
冷めた頭で心から言う。
「一途になるから」と。
異性なんて
肉体的な快楽を得る為の道具でしかない。
それ以上の役割は
微塵も欲していない。
そんな自分自身に対しては
ひょっとすると一途なのかも知れない。
自己愛を具象化すると
醜い雌豚が一匹、
我が物顔で鳴いているのかも知れない。