たった一人、その人だけを愛す。

みんな何故、そんなにも容易く、そんなにも自然に、できるのですか。

私にとっては困難極まりなくて、

もう挑むことさえ諦めたというのに。

そうするしか、無かったというのに。



恋人が出来る度に

「今度こそは」と誓う。

でもその誓いは本当に薄っぺらなもので

三日坊主にも及ばない。

恋人が出来たその夜に、

もう他の異性の腕の中にいる。

そんなの日常茶飯事で

罪悪感もどこかに置いてきてしまった。

そこに残っているものは

心地良い背徳感、物理的な温もり。

後々になって恋人の顔に浮かぶ

傷付いた表情を眺めるのもまた悦。



それでも少しばかりの良心はあるらしく

恋人と別れる度に

「二度と恋人なんて」と誓う。

でもその誓いは本当に薄っぺらなもので

気付けばまた懇意な関係が出来上がる。

冷めた頭で心から言う。

「一途になるから」と。



異性なんて

肉体的な快楽を得る為の道具でしかない。

それ以上の役割は

微塵も欲していない。

そんな自分自身に対しては

ひょっとすると一途なのかも知れない。

自己愛を具象化すると

醜い雌豚が一匹、

我が物顔で鳴いているのかも知れない。
急に雨が
降ってきて
思考を
停止させた。

沢山の人達が
ひしめいていた
私の頭の中で
貴方だけは
いつも遠く
触れることが
許されない。

叫べば声は
届くのかも知れない。

だけどそうしないのは
幾度叫んでも
返事は聞こえないって
わかってるから。

いや、
聞こえないんじゃない、
貴方からの返事なんて
もう
存在し得ないんだ。

わかってる。

願わくば
私をそっちに
誘って下さい。

そうすればまた
笑って会える気がするんです。

幻想でしかない
こんな世界は
もう
要らないんです。
涙が出るということは

私は生きているということで

だから私は早く泣き止みたいのです