背骨の中には、脳からの指令を全身に伝える
「脊髄」という太い神経の束が通っています。

事故や大きな衝撃で背骨を骨折すると
「脊髄」を傷つけてしまい、
傷がついた部分から下の神経伝達が遮断されて
体に大きな変化が起きます。

背骨(脊椎)は頭蓋骨に近い方から
  頸椎、胸椎、腰椎、仙椎
その中を通る神経(脊髄)のことを
  頸髄、胸髄、腰髄、仙髄
と呼びます。

脊髄は部分ごとに大きな役割を持っていて
「どの部分を」「どの程度」傷つけたかで
その後の障害の大きさが決まってしまいます。

麻痺の程度は「完全麻痺」と「不全麻痺」とに
大別されます。
 完全麻痺…神経が完全に遮断され運動・感覚
      ともに完全に失います。
 不全麻痺…神経の一部が繋がっている状態で
     不完全ながら動かすことができます。

また、損傷した位置によって、麻痺の範囲が異なってきます。
 四肢麻痺…上肢、下肢双方に及ぶ麻痺
      (第4頸髄〜第8頸髄損傷)
 対麻痺…下肢のみの麻痺
      (第1胸髄〜第3腰髄損傷)

  ※第3頸髄以上の損傷は呼吸停止
  ※第4腰髄以下は下腿麻痺

  (以下は一般的な麻痺症状です。)



 頸髄を損傷すると、上肢にも麻痺が残ります。
 頸髄の上位を損傷すると、腕を上げることが
 できなくなります。
 中位から下位の損傷は、腕は自由に動きますが
 握力には大きな障害が残ります。
 胸髄以下の損傷では上肢の麻痺はありません。

 また頸髄を損傷すると体幹機能が失われます。
 背もたれなしでは座位保持ができません。
 例えるなら、平坦な場所に足を伸ばして座って
 いても、バランスボールの上に乗ってる感じ
 だそうですチュー


 完全麻痺の場合、麻痺は改善することは
 ありません。
 気持ちとか、根性とかで「頑張れば良くなる」
 というものではないのです。
 だって脳からの指令が届かないのですからショボーン
 ただ、術後、全く動かなかった上肢が
 少しづつ動くようになることはあります。
 それは、受傷後しばらくは脊髄がショック状態
 にあり、残存している神経伝達が上手く行かな
 いからだそうです。時間とともに、本来の残存
 機能の状態に近づくので「良くなってきた」と
 感じますが、これは「回復」ではないのです。

 でも、本人が意欲的に動かそうとしなければ
 リハビリが進まないので、この時期は、少し
 づつ動くようになる体を喜んでいいのだと
 思います照れ