闘病記 71話 -「キウイ」
車椅子父ちゃん
闘病記(改正版)の目次はコチラから
2013年4月末頃
長引いていた熱も下がり
便もスッキリ出して、
ようやく下の体力に
戻りつつあった。
投資で詐欺に会ったことも
高い勉強代だったと考える
ようにした。
口から食事ができるようになり、
「たくさん食べて栄養をとり
抵抗力をつけるぞ」
と思い、何事もなく食べていた。
この日の夕食のデザートは
キウイフルーツだった。
輪切りのキウイを端から食べていて、
3切れ目のキウイを口にした時、
かなり強い刺激が口の中を襲った。
舌がビリビリしたので早いとこ
飲み込もうと、
何度もつばと一緒に
胃の中に送り込んだ。
大きく咳き込んで
喉と舌の強烈な刺激が続き、
口からは、
皮膚が剥がれたようなものが
つぎつぎと痰と共に出てきた。
看護師に伝えると、
「キウイやパイナップルは
舌が痺れることがあるよね~」
と、いう感じの答えしか
帰ってこなかったので、
そんなもんなんかなと思っていた。
しばらくすると落ち着いたが、
痰の出る量が多くなっていた。
次の日の夜は痰を口から吐き出して
いたが、出てくる痰の量が朝方まで
多くてティッシュを山ほど使った。
夜が明けて、体内の酸素濃度を
計ると89%くらいだった。
健康な状態であれば95%以上なの
だが90%を切ると結構深刻だ。
鼻から管を入れて肺から痰を
吸引しなければならない。
しかし、これがなかなか
管が肺に入らなくてしんどい。
やっとの思いで吸引できて
酸素マスクを着けて95%を超えたが
また次から次へと痰が発生する。
とうとう 呼吸器科がある病院へ
救急車で搬送されることになった。
72話 -「肺炎」へ つづく