闘病記 60話 -「自分がバカだった」
車椅子父ちゃん
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2012年 2月
じいさんは自分もゲホゲホと
やかましいくせに、
人がカーッと痰を出す音に
文句を言ってきたのだった。
ひともんちゃくあった日の夜中、
今度はじいさんに何も言わせないよう
痰が出るのを無理やり我慢して
静かにしていた。
じいさんの方はというと、
案の定ゲホゲホとうるさかった。
朝が来て、看護婦さんが検温等の
検査をしたら微熱が出てて、
呼吸の酸素濃度も80%代と
激減していた。
なんと、再び肺炎を起こして
しまっていた。
肺炎の手術をして治って戻ってきたのに
すぐに肺炎をおこした。。。
ムキになって夜中に我慢していた痰が
肺に戻って肺炎になったのだ。
僕は後悔した。
こんなじいさんに対して意地を張って、
きつい思いをしながら静かにしていた
自分がバカだった。
結局、問題のじいさんは別の部屋に
移動させられた。
看護婦さんたちは僕に
「あの患者さんは前から問題が
あったんですよ、すいませんねぇ。
意識がない患者さんの部屋に移って
もらいましたので」
と対処してくれた。
肺炎の様子は2日経っても変わらず、
痰を出しやすくするために
塞いでいた喉を再度切開して
カニューレをつけることになった。
自分のバカさかげんには、
つくづくあきれるばかり。
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