47回目のNational Dayを迎えて思うこと。豊かさとデフレに慣らされた私たち… | シンガポール~熱帯先進国から見る世界

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シンガポールで進出支援・会社設立・資産管理をお手伝いする代表者ブログ
常夏のシンガポールから、つれづれなるままにコラムをお届けしています

私がはじめてシンガポールを訪れたのは1995年

当時はまだ発展途上の色合いを濃く残しており
オーチャードくらいしか繁華街もなく、物を
買う時も値下げ交渉して買う必要がありました

貧乏旅行だったので、当時唯一と言っていい
情報源だった「地球の歩き方」で安宿を調べ
一泊数百円の汚いドミトリーに、諸外国からの
危ない人達と同じ部屋で寝泊まりしていました

今やホテルは日本よりも高く、治安も抜群、
自分もそんなところに出入りすることは
なくなってしまいました

豊かさに麻痺し、まるで昔からそうであった
かのように錯覚しますが、シンガポールも
つい15年ほど前はそんな時代だった訳ですから
町並みは変わっても、人々の習慣や心の中が
一気に変わるはずはありません

「シンガポールは先進国なのに云々」や
「他人や会社を信用できない」などの問題は
我々日本人が勝手に自分のモノサシで考えて
しまうだけであって、元々異国で適用できる
はずもないことなのです


翻って、日本。日本という国はこの20年で
物価が上がっておらずむしろ下がった、
アジアで希少な国だと私は考えていますが
デフレと円高の不況で価格のバランスが
崩れてしまいました

この現象は、困ったことに「良いものには
金がかかる」という極めて正当な価値観を
崩壊させてしまいました

たとえば、上記に書いたように

・安い宿泊施設を利用すると危ない目に
合うかもしれない

といった不安。ほかにも

・安い飲食店に行くと美味しくない、
 あるいは何かリスクがあるかもしれない
・安い商品は体に悪いかもしれない

といったリスクは、まるで存在しないかの
ように錯覚されています

もちろん、高い品質で安い商品・サービスを
提供するという血のにじむような努力が
裏にあったのは言うまでもありません

しかし本来の資本主義は、自己責任で全てを
選択するという、厳しさも内包された社会で
あるはずです

中国やタイやベトナムで、あえて安い店に
突っ込む勇気がある人は少ないでしょう

もちろん、消費者は常に保護されなければ
いけませんが、自己責任であることも
忘れてはいけないですね
ビジネスも、然りです

47回目の建国記念日(National Day)を
迎えたシンガポールで思ったことです

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