CDレーベルや楽譜出版社、そして小売店の未来について考える | WBP Plus!店長のセレクト商品今昔物語

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吹奏楽・管打楽器のCD・DVD・楽譜のセレクトショップ「WBP Plus!」のブログです。




こんにちは!WBP Plusの梅本です。


こういう仕事をしてますと、色々と傾向が見えてくるものなんですが、CD販売はもうだいぶキツくなってきましたね。

時代はサブスクですもんね・・・

そもそもCDプレーヤーを持っていない人も増えていると聞いています。

このあいだ数年ぶりにヤマハに行ってみたらCD販売コーナーなくなってましたもんね。

小売店としてもCDは在庫するリスクが高くなっている商材です。

逆に考えるとCD販売から撤退する店のほうが多いので続けていれば店の価値があがる可能性はあります。取り扱いレーベルが多くないとちょっと厳しいですし、商品のセレクト(絞り込み)は必要になるとは思いますけれど。

海外のロックやポップスの業界を見てると、もうCDやLPは「コレクターズ・アイテム」という感じの割り切り方で、サブスクで聴かせてライブに誘導して、ライブのチケットと物販(マーチャンダイズ)で稼ぐ、というスタイルになっています。

なのでクラシックのCDレーベルもだんだんと「デジタル配信のみ」や「CDやLPはコレクターズアイテム価格」または「受注生産」という形に移行していくんじゃないかなという気がしています。

サブスクでCD最盛期と同じ利益を出すのは難しいと思うので、「非商用」の録音を含めて、録音や編集の「技術」を主要商品として売り出していく形になるのかなという気がしています。You Tubeなどの動画プラットフォームでの配信は増えると思うので、そのあたりの録音、編集、撮影技術とかね。

CDなどの媒体はアナログからデジタルに置き換えられますけど、技術はそうはいかないですからね。

高い技術を安く販売出来る会社が競争優位になるのかなという気がしますね。ただ会社の規模は縮小しないといけないかもしれません。人員整理というか。

ただ、今まで輸出に力を入れている日本のレーベルってあまり見ないので、日本のレーベルはサブスクで海外での再生が増えれば割りと生き残っていけるのかもしれませんしタイトルも増えるのかも。よく知らないですけど。

小売店からは徐々にCDが消えていくんでしょうね・・・(レーベルが物理CD作らなければ当然取り扱いタイトルは減っていきますから)


楽譜出版社の場合はどうでしょうか。

僕自身もGolden Hearts Publicationsというブランドで出版をしているのでこれを考えるのはなかなか客観的に見られない部分もありますが・・・

これもPDF版でのデジタル販売を行っている出版社も多いと思いますし、Golden Hearts Publicationsの楽譜もPDF版も売れていますから、徐々にデジタルのほうが増えていくのかなという気がしないでもないです。

そうなるとプラットフォーム持っている会社が強くて、例えばGolden Hearts Publicationsの楽譜はPia Scoreというプラットフォームを使っています。

▼ストアはこちら
https://store.piascore.com/search?c=1304

こういうプラットフォームに各出版社が楽譜を出したり、自社ストアでデジタル販売のみに切り替えていった場合、小売店は売る楽譜が減っていきますね。

楽譜の場合は印刷の原価が高い場合がほとんどだと思うので、PDFにして安く販売したからといってそんなに利益が減るってこともないかなと思います。わりと利益は残る。

小売店には辛い状況ですが、各出版社が各自のストアで売る、という傾向が強くなっていくのかな・・・(印刷版なら卸せるけどデジタルは仕組み的に難しいかなと)

すでに楽譜のデジタル販売のプラットフォームはいくつかあるので、後発でシステム開発して参入するというのも、街の小売店みたいな零細企業には難しいところだと思います。

ただ、「店舗に卸売をしない&デジタル販売のみ」となると、作曲家や編曲家からすると出版社に作品を預ける意味があんまりないかなという気はしますので(自分でデジタル販売すれば済むので)、Golden Hearts Publicationsは受注生産で印刷版を販売していますけど、それに近い形で、消費者側のデジタル化が進んでも印刷版の販売は残り続ける気がします。

こういう場合の(デジタルに移行した場合の)出版社のウリは、CDレーベルの場合は録音などの技術でしたけど、カタログにどういう品揃えをするかという目利きの部分と、あとはプロモーション能力、あるいは商品企画能力でしょうね。(場合によっては浄書の技術とか)

それがあれば生き残っていけると思うのですが、似たようなラインナップの出版社は統合されていくかもしれません。

そういう先々のことを考えると、CDや楽譜に特化したWBP Plus!のような小売店というのもなかなか大変で、実店舗があれば「場所」を提供できるという価値があるのでまだ色々とやれそうですが、ネットショップは消えていくかな・・・

自社商品を開発するとか(僕の場合はいまのところGolden Hearts Publicationsがそれに該当します)、取り扱い商材をデジタル代替出来ないものにシフトしていくとか、そういう変化が求められるかなと思います。

もちろん興味のないものを扱っても楽しくないので店をたたんで別のビジネスに挑戦するのもアリだとは思います。


とまあ今日はWBP Plus!の将来にも関係してくるお話でした。

物理商品は、販売されているうちに買っておきましょう。CDやDVDの廃盤とか楽譜の絶版(またはデジタルオンリーへの移行)とか増えると思うので。

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