家族皆が仕事や学校へ行くために外出をしてから時間は経ち、時刻は午後6時になっていた。息子の隼人がただいまと帰宅をしてきた。英子は隼人が帰ってきて少しほっとした。

英子は夕食の準備をしながらテレビを見ているとニュースが流れてきた。「本日午後4時半に所沢市内の公園で男子高生が殺害されているのを近くの住民が発見しました。
現場の公園は丘があり丘で隠れて見えない場所で遺体が発見されました。
警察によれば鈍器のような物で顔を殴打された跡があり、凶器による殴打により死亡した可能性が高いとみて警察は捜査をしています。昨日の狭山市内での殺害事件との関連も捜査中とのことです」

英子「えっまた殺害事件が起きたみたい。
しかも所沢だって。隼人、私清美が帰ってくるまで心配だよ。部活休めないとも言ってたしさ。昨日の事件と同じ犯人かな?」

隼人「お母さん心配する気持ちはわかるけどさ。清美はいつも駅まで友達と帰ってくるだろうだから大丈夫だよ。
俺が清美を駅まで迎えに行くわ。それなら安心だろ?」

英子「うんそうして。心配で仕方ないからさ。お父さんも早く帰ってきてほしい。」

清美から英子にメールが入る。
「もうすぐ所沢駅つくよー」

英子「清美もうすぐ所沢つくみたい。隼人迎えに行ってあげて」

隼人は車で清美を迎えに行った。
10分程待つと清美が駅から出てきた。
友達といつも一緒に帰っているはずなのに今日はめずらしく一人だ。
犯人まだ捕まってないのに一人かよ心配させる奴だと独り言を言いながら、車の窓を開け清美を呼ぶ。

清美「お兄ちゃん迎えにきてくれたんだ。今日友達体調悪くて学校休みで一人で帰るの怖いと思ってたんだ。迎えにきてくれて安心したよ」

世話焼けるなお前はと隼人は言い清美を車に乗せて家に帰った。

家に着くと英子は安堵した表情を浮かべた。
英子「無事帰ってきたかー。安心したよー。
また殺人事件あったんだって。しかも所沢で」

清美「えーまた殺人事件?同じ犯人じゃないの?早く捕まらないかな。怖いよー」

隼人「帰ってくるとき駅周辺にも警官沢山いただろ。警察もかなり力入れて捜査するだろうからすぐ犯人は捕まるよ」

英子と清美はそうだといいけどとだけ言い、昭二はまだ帰ってこないので三人で夕食を取った。

昭二から英子に電話が入る。
「あっお母さん、今日会社の人達と飲んでから帰るから遅くなる。子供達は帰ってきたか?それはよかった。また事件あったらしいから戸締りちゃんとしとけよ」

英子は電話を切り、お父さん遅くなるってと一言いい、ため息をついた。

夕食を取り終え、片付けしたりテレビを見ていたらもういい時間になっていた。
昭二は酔っ払って午前様で帰ってきた。
英子は不機嫌である。

英子は昭二にお茶漬けを作り、先に布団に入った。
子供達も昭二を残し先に寝床についた。