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今年に入って初めて

映画館に足を運ぶ。

『カラオケ行こ!』や

『ゴールデンカムイ』など

新作が続くが、両者とも

漫画が原作。

ごく最近の漫画は

筆者はあまり読んでいないので、

実写化されてもあまり喜ばない。

だからという訳でもないが、

観に行かないという選択を

つい選んでしまう悪い癖がある。

スケジュールがぎっしり

ということもあったのだけど。

漫画「がんばれ元気」はよく

読んでいた時代を生きた筆者。

 

 

映画『サイレントラブ』公式サイト (gaga.ne.jp)

 

監督は内田英治。

草彅剛主演の

『ミッドナイト・スワン』があったが、

あれはあれで素晴らしかった。

自分に一体何ができるだろう。

そんな模索が親戚への

愛情としてひしひしと伝わる、

絶望の闇の中に一筋の光を

まさに見出した映画であった。

 

今回はその新作である。

よく考えたら、山田涼介は

ジャニーズ出身であった。

今も性加害問題でスマイル・

アップ社が大人しくしているが、

この社会的事象を果たして

大きく乗り越えては、或いは

この社会事情にもかかわらず

大ヒットになるかどうか

筆者は初めてジャニーズファン

の客入りについて

把握できそうなものだと

いったところかもしれない。

 

音大生の女学生、美夏が

校舎の屋上から飛び降りようとする。

それを後ろから食い止める

出入り業者の蒼(あおい)。

何とか抑えることができ、

連れていかれた美夏が

落としていった鈴のキーホルダー。

蒼はそれを拾っていった。

 

美夏は目に網膜剥離を起こしていて

眼が見えなくなっている。

蒼は声を失っていて

話しかけることも答えることもできない。

この二人、どうしたら

いい意味で出会ったことになるのだろうか。

 

この鈴が鳴ったり鳴らなかったりと

いったいこの鈴にはどんな意味が

こめられているのだろうと考えた。

 

導いている。

 

この一言に尽きる。

 

また或いは最後に鳴る音。

これが運命への第一歩になる。

 

上にあげた画像のシーンが

出てくるまでに最後まで引っ張る。

そこまでに辿り着くためには

いったいどんな紆余曲折を

描いた物語となるのかが

本作の特徴であった。

 

美夏が蒼の手を

神の手と表現した。

不思議なセンスを

持つ監督だと思った。

 

天にも近い空の真下で

ビルの屋上で自身の後ろから

伸びてくる両手が

あたかも空から神の手が

抱き止めてきたかのような

表現力が素敵だなと。

 

『ミッドナイト・スワン』でも

象徴性を豊かに表現していた

内田英治監督だが、今作でも

象徴性を鈴の音に求めていた

感がある。

そんな映画だったと思う。

 

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筆者のYouTubeでは映画サントラを少しずつ紹介しています。今回は。

 

『イージー★ライダー』

”BORN TO BE WILD” by STEPPENWOLF

 

 

アメリカン・ニュー・シネマの代表作。1970年日本上映。

アメリカ大陸をバイクで旅に出る二人の男たち。時間や秩序に縛られない生き方を目指しているかのようだがはてさて。

 

日活映画『憎いあンちくしょう』という作品があるが、石原裕次郎も腕時計を車から捨てていると記憶する。自由や青春を謳歌する世代としてはアメリカにも共通するところがあるように感じる。否、果たしてこの作品も(相当昔だが)アメリカで上映されたのだろうか。日系人も多かっただろうし、観ない人はいないと思う。こちらは1962年上映。前者よりかなり前の作品だ。日活映画は特に黄金時代と呼ばれる時期が続き、青春を過ごす若者たちに多大な影響を与え続けた作品群が続々と毎週のようにロードショーされていた。

 

次回の記事アップの予定は2月1日だと思います。

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